横瀬夜雨
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タイトル: べつ甲蜂出版社: ConTenDo概要: 春さき、はんの木山を歩くと、かげろふの糸のやうな白い毛がふわりと飛んで來て、顏や頭にひつかかる。 ねば/\してうるさいので、取りすてようとしても中々離れぬ。 地震蜘の糸だ。 いぼとり蜘とも言つてゐる。 巣へさはると、おこつて網全體を震動させる。 はじめ巣をかける時、五六尺位長い糸を...商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 女子文壇の人々出版社: ConTenDo概要: 河井醉茗の五十年の祝をした時、私は上野から精養軒へ眞直に行つたので、誰もまだ來てゐなかつた。 上つたんだか、下りたんだか忘れたが、左に庭を見て長い廊下を行くあたりで、向うから山田邦子さんが歩いて來るのに會つた。 いきなり手を出して私をいたはるやうにして、よく出て入らしたと喜んでくれ......商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 五葉の松出版社: ConTenDo概要: 庭に生えてゐる木に、親しみを持つは人情である。 故郷を離れた人にとつても、然でなければならない。 私のやうに一生を蝸廬に過して足一歩も出でぬ者にしては、眼前數尺の自然は殆んど全天地である。 一木一草にも感慨は伴ふ。 何代か前に菩提所から移したといふ五葉の松がある。 座敷からは...商品価格: ¥0(税込)