九鬼周造
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タイトル: 伝統と進取出版社: ConTenDo概要: ひたすらに伝統の匂いをかいで足れりとする者であるかのような非難を私は近頃うけた。 これは馬鹿げた非難だと一口でいってしまえばそれまでのことであるが、また考えようによってはいい機会でもあるから、果してこの非難が当っているかどうかを、私は出来るだけ客観的に自分について調べてみたいと思... ...商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 小唄のレコード出版社: ConTenDo概要: 林芙美子女史が北京の旅の帰りに京都へ寄った。 秋の夜だった。 成瀬無極氏と一緒に私の家へ見えた。 日本の対支外交や排日問題などについて意見を述べたり、英米の対支文化事業や支那女性の現代的覚醒を驚嘆していた。 支那の陶器の話も出た。 何かの拍子に女史が小唄が好きだといったので、小唄の...商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 偶然の産んだ駄洒落出版社: ConTenDo概要: 駄洒落を聞いてしらぬ顔をしたり眉をひそめたりする人間の内面生活は案外に空虚なものである。 軽い笑は真面目な陰鬱な日常生活に朗かな影を投げる。 ある日、私がパリで散髪をしていると理髪師が私に向ってデ・ジャポネー(日本人)は騎兵は要らぬそうですねといった。 何のことかと聞くとデジャ(既に....商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 祇園の枝垂桜出版社: ConTenDo概要: 私は樹木が好きであるから旅に出たときはその土地土地の名木は見落さないようにしている。 日本ではもとより、西洋にいた頃もそうであった。 しかしいまだかつて京都祇園の名桜「枝垂桜」にも増して美しいものを見た覚えはない。 数年来は春になれば必ず見ているが、見れば見るほど限りもなく美しい。 ...商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: かれいの贈物出版社: ConTenDo概要: 十二月も半ば過ぎた頃であった。 村上は友人の山崎を自宅の昼飯に招いた。 独身者同様の村上は時にこうして十五ばかり年下の山崎と会食をしながら寛いだ気もちで談笑するのが好きであった。 年齢の相違もあるので二人の間には師弟といったような感覚も交っていた。 村上が二階の書斎で手紙を書いている...商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 外来語所感出版社: ConTenDo概要: ついこの間のことである。 私はあるところで「こよみ」を見せてほしいといった。 すると「こよみ」とはあなたらしくもない。 運勢でも調べるのですかと問われた。 来月の某日が何曜日になるかを見たいのだと答えると、それならば「カレンダー」で間に合うでしょうというのである。 私はなるほど「カ...商品価格: ¥0(税込)