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外村繁

検索結果5件中1件から5件までを表示
  • タイトル: 打出の小槌
    著者: 外村繁
    出版社: ConTenDo
    概要: 打出の小槌 外村繁  ――私の三男は家中の愛嬌者である。 渾名は「たゆ」又は「安福」と言ふ。 「たゆ」と言ふのは、彼の申年の「さる」が言へないので、「たゆ」。 「安福」と言ふのは、私の郷里の村に安福寺という禅寺があり、ある夏、私達が帰省してゐた時、真宗である私の家とは日頃何の附....
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  • タイトル: 落日の光景
    著者: 外村繁
    出版社: ConTenDo
    概要: 一  私の妻は乳癌に罹り、築地の癌研附属病院で左胸部の切除手術を受けた。 更にコバルトを照射するため、大塚の同病院の放射線科に移ることになった。 私達の自動車が大塚の病院の構内に沿って左折した時、道路に面したその石垣の上に、いずれも夥しい花をつけた沈丁花が植込まれているのが、私......
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  • タイトル: 夢幻泡影
    著者: 外村繁
    出版社: ConTenDo
    概要: 一  浅黄色の色硝子を張ったような空の色だった。 散り雲一つない、ほとんど濃淡さえもない、青一色の透明さで、かえって何か信じられないような美しさである。 例えば、ちょっと石を投げる、というような些細な出来事で、一瞬どんな変化が起るかも知れない、と危ぶまれるような美しさだった。 そ....
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  • タイトル: 澪標
    著者: 外村繁
    出版社: ConTenDo
    概要:  私が生れたところは滋賀県の五個荘である。 当時は南、北五個荘村に分れていたが、今は旭村と共に合併して、五個荘町となっている。  村の西南部には小山脈が連っている。 繖山脈と呼ばれている。 その一峰に、往昔、近江守護、六角、佐佐木氏の居城のあった観音寺山がある。 その山頂にある観...
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  • タイトル: 日を愛しむ
    著者: 外村繁
    出版社: ConTenDo
    概要:  妻、素子が退院し、二ヵ月振りでわが家へ帰ったのは、四月中旬のことである。 曇った日で、門前の吉野桜の花はすっかり散り落ち、枝には赤い萼が点々と残っている。 素子は桜の梢の方へ目を遣ってから、門を入った。 玄関では、満八十二になる、私の母が背を円くして、その妻を迎えた。 私は運転手と自...
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