宮城道雄
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タイトル: レコード夜話出版社: ConTenDo概要: レコード夜話 宮城道雄 メニューヒンの演奏会を日比谷の公会堂へ聴きに行って、あとで楽屋へ挨拶に行くと、握手をしながら how do you do と言われた。 その声が高い若々しい調子に聞こえた。 帰ろうとすると、もう一度握手されたので私は嬉しかった。 そのせいか、氏の....商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 私の若い頃出版社: ConTenDo概要: 私は七八歳の頃、まだ眼が少し見えていたが、その頃何よりもつらく感じた事は、春が来て四月になると、親戚の子や、近所の子が小学校へ上ることで、私も行きたいが眼が癒らない。 親達は気やすめに、学校用品を一揃い買ってくれたが、私はその鞄をかけて、学校へ行く真似をして一人で遊んでいた。 眼を......商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 私のすきな人出版社: ConTenDo概要: 私のすきな人 宮城道雄 私のすきな人はたくさんあるので、みな書くことは出来ないが、最近倒れた印度のガンジー翁などはすきである。 ラジオや新聞によると、ガンジーは、いつもヤギの乳や、ナツメの実ばかり食べて生活していたとか、それに何か願いごとがあると、よく断食をやったが、その... ...商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 山の声出版社: ConTenDo概要: 私が失明をするに至った遠因ともいうべきものは、私が生れて二百日程たってから、少し目が悪かったことである。 しかし、それから一度よくなって、七歳の頃までは、まだ見えていたのであるが、それから段々わるくなって、九歳ぐらいには殆ど見えなくなってしまった。 それで、私が、今でも作曲する時に......商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 昔の盲人と外国の盲人出版社: ConTenDo概要: 昔は盲人に特別の位を与えたものである。 よく何市、何市とあるが、あれも市名といって、盲人の位の一つで、一番下である。 しかし何といっても一番よいのは撿挍であって、昔は撿挍になるには千両の金を納めなければならなかった。 その代り十万石の大名に相当する資格が与えられていた。 その次は勾当...商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 耳の日記出版社: ConTenDo概要: 友情 いつであったか、初夏の気候のよい日に内田百間氏がひょっこり私の稽古場を訪ねて来て、今或る新聞社の帰りでウイスキーを貰って来たから撿挍にお裾分けしようと言われた。 待っていた弟子達は百間先生が来たというので何かひそひそ騒いでいた。 百間氏は私に稽古を片附けるように... ...商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 春雨出版社: ConTenDo概要: 家の者が、「座右寶」に梅原氏の絵が出ていると言うので、私はさわらせて貰った。 さわってみても私に絵がわかる筈はないが、それでもやはりさわってみたい。 いろいろと説明を聞きながらさわっている中に、子供の時に見た絵を想像した。 子供の時に見た絵を思い出してみると、主に人物で、景色の....商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 純粋の声出版社: ConTenDo概要: 純粋の声 宮城道雄 私が上野の音楽学校に奉職することになった時、色々話があるからというので、或る日学校に呼ばれて行ったことがある。 いよいよ講師としての辞令を渡された時、乗杉校長が、この学校は官立であるから、官吏という立場において体面を汚さぬようなことは、どんなことをして... ...商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 五十年をかえりみて出版社: ConTenDo概要: この度の音楽生活五十年記念演奏会に際し、皆様に御支援を戴いたことを心から感謝いたします。 私は九歳の年の六月一日に箏を習い始めてから、今年が還暦祝などというと、自分でじじくさく感じて心細くもある。 しかしこの年を機会に若返っていよいよ勉強したいと思うので、こんどの演奏会を催し......商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 心の調べ出版社: ConTenDo概要: 心の調べ 宮城道雄 どんな美しい人にお会いしても、私はその姿を見ることはできませんが、その方の性格はよく知ることができます。 美しい心根の方の心の調べは、そのまま声に美しくひびいてくるからです。 声のよしあしではありません、雰囲気と申しますか、声の感じですね。 箏の音色....商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 声と人柄出版社: ConTenDo概要: 或時、横須賀から東京に向う省線に逗子駅から乗ったことがあった。 ところがその電車が非常に混んでいて、空いた座席が殆どなかった。 丁度その時、どこかの地方の青年団の人々が乗っていたが、その中の一人が、私の乗り込んだのを見てか「おい、起て起て」と言ったら、腰かけていた人たちがみな起ちあ......商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 声と性格出版社: ConTenDo概要: 声と性格 宮城道雄 私は盲人であるので、すべてのことを声で判断する。 殊に婦人の美しさとか、若い乙女の純な心とかは、その声や言葉によって感じるわけである。 従って、声が美しくて、発音が綺麗であると、話している間に、春の花の美しさとか、鳥の鳴き声をも想像する。 それで、私....商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 声と食物出版社: ConTenDo概要: 私の経験から歌についていうと、言葉と節とが調和する時と、しない時とがある。 従って、外国の歌を日本語に訳した際に、訳され方によって、音と言葉とがあっていないような気がする。 殊にオペラなどにおいて、そうした点に無理なところがあるのを感じるのである。 そこへ行くと、長年聞き馴れた邦楽は....商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 垣隣り出版社: ConTenDo概要: 垣隣り 宮城道雄 普通の目の見える人が、自分の家のあたりの景色に親しみを持って見るのと同様に、私には自分の住んでいる近所の音が、私の生活の中に入っているわけである。 これは自分の住んでいる周囲の音が懐しいのである。 気候が暖かになると、戸障子を明けるので、近所の音が非......商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 音の世界に生きる出版社: ConTenDo概要: 幸ありて 昨年の暮、一寸風邪をひいて欧氏管を悪くした。 普通の人ならたいして問題にすまいこのことが、九つの年に失明を宣言されたその時の悲しみにも増して、私の心を暗くした。 もし耳がこのまま聞こえなくなったら、その時は自殺するよりほかはないと思った。 音の世界にのみ生きて... ...商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 雨夜の駅出版社: ConTenDo概要: 雨夜の駅 宮城道雄 雨のしとしと降っている夜であった。 私は京都の駅で汽車を待っていた。 親戚の若い人達が早くから来て場所を取ってくれていたが、それでも列の後の方であった。 そこでは並んでいる人同士で汽車の混む話から、何処其処を何時に出るのが割合に空いているとか、あの汽....商品価格: ¥0(税込)