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富永太郎

検索結果27件中1件から27件までを表示
  • タイトル: 鳥獣剥製所 一報告書
    著者: 富永太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  私はその建物を、圧しつけるやうな午後の雪空の下にしか見たことがない。 また、私がそれに近づくのは、あらゆる追憶が、それの齎す嫌悪を以て、私の肉体を飽和してしまつたときに限つてゐた。 私は褐色の唾液を満載して自分の部屋を見棄てる、どこへ行くのかをも知らずに……  煤けた板壁に、......
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  • タイトル: ランボオへ
    著者: 富永太郎
    出版社: ConTenDo
    概要: Ⅰ キオスクにランボオ 手にはマニラ 空は美しい えゝ 血はみなパンだ Ⅱ 詩人が御不在になると 千家族が一家で軋めく またおいでになると 掟に適つたことしかしない Ⅲ 神様があいつを光らして、横にして下さるやうに! それか... ...
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  • タイトル: 無題
    著者: 富永太郎
    出版社: ConTenDo
    概要: 幾日幾夜の 熱病の後なる 濠端のあさあけを讃ふ。 琥珀の雲 溶けて蒼空に流れ、 覚めやらで水を眺むる柳の一列あり。 もやひたるボートの 赤き三角旗は 密閉せる閨房の扉をあけはなち、 暁の冷気をよろこび甜むる男の舌なり。 朝なれば風は起ちて 雲母めく濠の面....
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  • タイトル: 無題
    著者: 富永太郎
    出版社: ConTenDo
    概要: たゞひとり黎明の森を行く。 風は心虚しく幹のあはひを翔り、 木々はみなその白き葉裏を反す。 樹の間がくれに、足速に 白き馬を牽きゆくは誰ぞ。 道の辺の 歯朶の群をのゝけり。 かゝるとき、湿りたる岩根を踏めば あゝ、わが出生の記憶甦へる。 底本:「...
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  • タイトル: 無題
    著者: 富永太郎
    出版社: ConTenDo
    概要: 月青く人影なきこの深夜 家々の閨をかいま見つゝ 白き巷を疾くよぎる侏儒の影あり 愚かなる状して黒々と立てる屋根の下に 臥所ありて人はいぎたなく眠れり 家々はかく遠く連なりたれど 眠の罪たるを知るもの絶えてあらず 月も今宵その青き光を恥ぢず 快楽を欲する人間... ...
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  • タイトル: 無題
    著者: 富永太郎
    出版社: ConTenDo
    概要: ありがたい静かなこの夕べ、 何とて我が心は波うつ。 いざ今宵一夜は われととり出でたこの心の臓を 窓ぎはの白き皿に載せ、 心静かに眺めあかさう。 月も間もなく出るだらう。 底本:「富永太郎詩集」現代詩文庫、思潮社  1975(昭和50)年7月10日初版......
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  • タイトル: 俯瞰景
    著者: 富永太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  溝ぷちの水たまりをへらへらと泳ぐ高貴な魂がある。 かれの上、梅雨晴れの輝かしい街衢の高みを過ぎ行くものは、脂粉の顔、誇りかな香りを放つ髪、新鮮な麦藁帽子、気軽に光るネクタイピン……この魂にとつて、一日も眺めるのを欠くべからざる物らの世界である。 さて、かれは、これらの物象の漸層の最......
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  • タイトル: 晩春小曲
    著者: 富永太郎
    出版社: ConTenDo
    概要: 晩春小曲 富永太郎 五月のほのかなる葉桜の下を 遠き自動車は走り去る。 わが欲情を吸収する 堀ばたの赤き尖塔よ。 埃立つ道に沿ひて 兵営の白き塀は曲り行く。 底本:「富永太郎詩集」現代詩文庫、思潮社  1975(昭和50)年7月10日初版第1刷  ......
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  • タイトル: 橋の上の自画像
    著者: 富永太郎
    出版社: ConTenDo
    概要: 今宵私のパイプは橋の上で 狂暴に煙を上昇させる。 今宵あれらの水びたしの荷足は すべて昇天しなければならぬ、 頬被りした船頭たちを載せて。 電車らは花車の亡霊のやうに 音もなく夜の中に拡散し遂げる。 (靴穿きで木橋を蹈む淋しさ!) 私は明滅する「仁丹」....
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  • タイトル: 癲狂院外景
    著者: 富永太郎
    出版社: ConTenDo
    概要: 夕暮の癲狂院は寂寞として 苔ばんだ石塀を囲らしてゐます。 中には誰も生きてはゐないのかもしれません。 看護人の白服が一つ 暗い玄関に吸ひ込まれました。 むかふの丘の櫟林の上に 赤い月が義理で上りました (ごくありきたりの仕掛です)。 青い肩掛のお嬢さ...
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  • タイトル:
    著者: 富永太郎
    出版社: ConTenDo
    概要: 手 富永太郎 おまへの手はもの悲しい 酒びたしのテーブルの上に。 おまへの手は息づいてゐる、 たつた一つ、私の前に。 おまへの手を風がわたる、 枝の青蟲を吹くやうに。 私は疲れた、靴は破れた。 底本:「富永太郎詩集」現代詩文庫、思潮社  197....
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  • タイトル: 忠告
    著者: 富永太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  思想の重圧のために眠りがたい躰には、起つてロココ風の肘掛椅子に腰を下ろすことが必要である。 そして膝を組んで、壁の薄浮彫の淡いニユアンスを眺めながら、細巻のシガレツトを一本ふかすうちには、どんな重苦しい思想の悪夢でも退散させることができるものである。  しかし、もしあなたがたを......
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  • タイトル: 断片
    著者: 富永太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  私には群集が絶対に必要であつた。 徐々に来る私の肉体の破壊を賭けても、必要以上の群集を喚び起すことが必要であつた。 さういふ日々の禁厭が私の上に立てる音は不吉であつた。  私は幾日も悲しい夢を見つゞけながら街を歩いた。 濃い群集は常に私の頭の上で蠢めいてゐた。 時々、飾窓の中に...
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  • タイトル: 大脳は厨房である
    著者: 富永太郎
    出版社: ConTenDo
    概要: 眼球は日光を厭ふ故に 瞼の鎧戸をひたとおろし 頭蓋の中へ引き退く。 大脳の小区画を填めるものは 困憊したさまざまの食品である。 青かびに被はれたパンの缺け、 切り口の饐えたソオセエジ…… オリーヴ油はまださらさらと透明らしいが 瓶一面の埃のために よくは見え......
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  • タイトル: 煙草の歌
    著者: 富永太郎
    出版社: ConTenDo
    概要: 阪を上りつめてみたら、 盆のやうな月と並んで、 黒い松の木の影一本…… 私は、子供らが手をつないで歌ふ 「籠の鳥」の歌を歌はうと思つた。 が、忘れてゐたので、 煙草の煙を月の面に吐きかけた。 煙草は 私の 歌だ。 底本:「富永太郎詩集」現代詩文庫、思潮社.....
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  • タイトル: 即興
    著者: 富永太郎
    出版社: ConTenDo
    概要: 古池の上に ぬつと突き出たマドロスパイプ。 下ではあめんぼが 番つたまゝすつと走る。 しやがんだ散策者の吐き出す煙が 池の中で夕焼雲に追ひすがる。 底本:「富永太郎詩集」現代詩文庫、思潮社  1975(昭和50)年7月10日初版第1刷  1984(昭和... ...
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  • タイトル: 熱情的なフーガ
    著者: 富永太郎
    出版社: ConTenDo
    概要: 七月の日光の 多彩なるアラベスク。 七月の日光の 覆された坩堝。 白昼の星より 女人の肉は墜つ。 このロコヽ宮殿の 脚を断て。 赭き肉は 宙宇に倒なり。 大理石の噴泉の 脣を噛め。 多彩なるアラベスク。 覆された坩堝...
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  • タイトル: 深夜の道士
    著者: 富永太郎
    出版社: ConTenDo
    概要: 人語なく、月なき今宵 色ねびし窓帷の吐息する 此の古城なる図書室の中央の 遠き異国の材もて組める 残忍の相ある堅き牀机に ありし日よりの凝固せる大気の重圧に 生得の歪悉皆消散せる 一片の此の肉体を枯坐せしめ 勇猛なく效なき修道なれど なほそが為に日頃捨離せる真夜... ...
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  • タイトル: 焦燥
    著者: 富永太郎
    出版社: ConTenDo
    概要: 焦燥 富永太郎 母親は煎薬を煎じに行つた 枯れた葦の葉が短かいので。 ひかりが掛布の皺を打つたとき 寝台はあまりに金の唸きであつた 寝台は いきれたつ犬の巣箱の罪をのり超え 大空の堅い眼の下に 幅びろの青葉をあつめ 棄てられた藁の熱を吸ひ たちのぼる巷の... ...
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  • タイトル: 頌歌
    著者: 富永太郎
    出版社: ConTenDo
    概要: 鋼の波に アベラール沈み 鉛の艫に エロイーズ浮む 骸炭は澪に乗り 直立する彼岸花を捧げて走り 『死』は半ば脣を開いて 水を恋ひ また 燠を霊床とする すべては 緑礬のみづ底に息をつく 象牙球の腹部の内側に 底本:「富永太郎詩集」現代詩文庫、思... (本...
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  • タイトル: 画家の午後
    著者: 富永太郎
    出版社: ConTenDo
    概要: 雪解けの午後は淋し 砂利を噛む荷車の 轍の音遠くきこえ 疲れ心地にふくみたる パイプの煙をのゝく 室ぬちは冬の日うすれ 描きさしのセント・セバスチアンは 低くためいきす。 電燈のとぼるを待ちつ われは今 わが心の洞を眺む。 底本:「富永太郎詩集」現代詩文庫......
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  • タイトル: 影絵
    著者: 富永太郎
    出版社: ConTenDo
    概要: 半缺けの日本の月の下を、 一寸法師の夫婦が急ぐ。 二人ながらに 思ひつめたる前かゞみ、 さても毒々しい二つの鼻のシルヱツト。 生白い河岸をまだらに染め抜いた、 柳並木の影を踏んで、 せかせかと――何に追はれる、 揃はぬがちのその足どりは? 手をひきあつ......
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  • タイトル: 横臥合掌
    著者: 富永太郎
    出版社: ConTenDo
    概要: 病みさらぼへたこの肉身を 湿りたるわくら葉に横たへよう わがまはりにはすくすくと 節の間長き竹が生え 冬の夜の黒い疾い風ゆゑに 茎は戛々の音を立てる 節の間長き竹の茎は 我が頭上に黒々と天蓋を捧げ 網目なすそのひと葉ひと葉は 夜半の白い霜を帯び いとも... ...
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  • タイトル: 美しき敵
    著者: 富永太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  私はその頃不眠症に悩んで居た。  かなり多くの人々が私の病気を知つてしまつて、それに対する忠告を与へてくれる人も少くなかつた。  気軽な或る大学生は言つた。 「運動が足りないんだね。 君みたいに一日中室の中に居て煙草を吸つてる男に安眠の出来るわけはないさ。 ちつと学校のコー...
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  • タイトル: 遺産分配書
    著者: 富永太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  わが女王へ。 決して穢れなかつた私の魂よりも、更に清浄な私の両眼の真珠を。 おんみの不思議な夜宴の觴に投げ入れられようために。  善意ある港の朝の微風へ。 昨夜の酒に濡れた柔かい私の髪を。 ――蝋燭を消せば、海の旗、陸の旗。 人間は悩まないやうに造られてある。 ...
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  • タイトル: 秋の悲歎
    著者: 富永太郎
    出版社: ConTenDo
    概要:  私は透明な秋の薄暮の中に墜ちる。 戦慄は去つた。 道路のあらゆる直線が甦る。 あれらのこんもりとした貪婪な樹々さへも闇を招いてはゐない。  私はたゞ微かに煙を挙げる私のパイプによつてのみ生きる。 あの、ほつそりとした白陶土製のかの女の頸に、私は千の静かな接吻をも惜しみはしない。...
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: PANTOMIME
    著者: 富永太郎
    出版社: ConTenDo
    概要: PANTOMIME 富永太郎 うす暗い椽側の端で、 琥珀色した女の瞳が 光つた――夫に叛いた。 もうむかふへ向いた、 庭の樹立と遊んでゐる―― あの狡猾なまなざしは。 とり残された共犯者が 清潔な触手で追ひかける。 だがみんな滑つてしまつた、 女....
    商品価格: ¥0(税込)

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