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尾形亀之助

検索結果8件中1件から8件までを表示
  • タイトル: 早春雑記
    著者: 尾形亀之助
    出版社: ConTenDo
    概要:  毎日のやうに隣りの鶏が庭へ入つて来る。  鶏が書斎の前をいそいで通るので、いかにも跣足で歩いてゐるやうな恰好をする。 羽や鳥冠が立派で、その上雄鶏などはすましてゐるやうな様子をしてゐるので可笑しい。  彼等の中に一匹奇妙な鳴声をする雌がゐる。  四五日前から地つづきに...
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  • タイトル: 机の前の裸は語る
    著者: 尾形亀之助
    出版社: ConTenDo
    概要:  私はこの九月末か十月初め頃までの間に、かびのついたするめのやうな昨年と今年との作品十数篇からなる表題未定の一本を四五十部印刷して、これを最後の集として年来親しくしてもらつた友人へ贈呈する。 大正十三年に「色ガラスの街」――昭和四年に「雨になる朝」――そして、この表題未定の一本を最... ...
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 身辺雑記
    著者: 尾形亀之助
    出版社: ConTenDo
    概要:  九月、十月、それから十一月とはなつた。 隣家の門にからんだ蔦が這つて来て庭の一間ほどの竹垣で海老茶に枯れてゐる。 雨が降る度に天井と畳と障子がぬれる。 引越すつもりであつたが、そのうちには引越すことになつてしまつた。 何のことはないのである。 ×  こゝに一つの変な文...
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  • タイトル: さびしい人生興奮
    著者: 尾形亀之助
    出版社: ConTenDo
    概要:  詩集「雨になる朝」は去年の今頃出版する筈であつたのが一年ほど遅れた。 これらの作品は一昨年のもので、去年は妙に困つたことばかりのあつた年で、詩は一つか二つしか書きつけなかつた。 そして、今年は頭が重い。 ×  私はこの詩集をいそいで読んでほしくないと思つてゐる。 本箱の...
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  • タイトル:
    著者: 尾形亀之助
    出版社: ConTenDo
    概要:  過ぎてしまつたことは、あきらめなければならないやうな心残りがあるとしてもどうにもしかたがないのだからしまつがいゝ。 又、ざまあみろとばかりに、地の中へ込80んでしまつたやうな「去年」に舌を出すのも一興であるかも知れない。 私は今郷里へ帰つて火80燵に入つてゐる。 下半身は温いが背なか....
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 部屋の中
    著者: 尾形亀之助
    出版社: ConTenDo
    概要:  雨が降つてゐる。 雞が啼いてゐる。 ×  何時の間にか雨が止んでゐる。 私は机の前に座80つてゐる。 朝、床の中で新聞を読んだ他何もしてゐない。 氷のやうなものが食べたい。 ×  淋みしい「人生興奮」。  ながいことかゝつて火鉢に炭をついでゐ...
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  • タイトル: 私と詩
    著者: 尾形亀之助
    出版社: ConTenDo
    概要:  私の詩は短い。 しかし短いのが自慢なのではない。 自分としてはもう少し長い詩が書きたい。 そして、もう少し私は詩の中に余裕をもちたい。 「笑ひ」といふやうなものをゆつくり詩に書いてみたい。 私の今の詩は詩集として一つに纒めて読んでもらう80のが一番よいのだが、さう思ふやうに詩集は出...
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 雨になる朝
    著者: 尾形亀之助
    出版社: ConTenDo
    概要: この集を過ぎ去りし頃の人々へおくる 序 二月・冬日 二月  子供が泣いてゐると思つたのが、眼がさめると鶏の声なのであつた。  とうに朝は過ぎて、しんとした太陽が青い空に出てゐた。 少しばかりの風に檜葉がゆれてゐた。 大きな猫が屋根のひさしを通つて行つた。 ...
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