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海野十三

検索結果129件中91件から129件までを表示
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  • タイトル: 四次元漂流
    著者: 海野十三
    出版社: ConTenDo
    概要:    はじめに  この「四次元漂流」という妙な題名が、読者諸君を今なやましているだろうことは、作者もよく知っている。  だが作者は、この妙な題名について、今何よりも先に、それを説明することはしない。 だから読者諸君は、ここしばらくの間、この妙な題名についてなやまされるであろ......
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  • タイトル: 宇宙尖兵
    著者: 海野十三
    出版社: ConTenDo
    概要:    作者より読者へ  うれしい皇軍の赫々たる大戦果により、なんだかちかごろこの地球というものが急に狭くなって、鼻が悶えるようでいけない。 これは作者だけの感じではあるまい。 そこで、もっと広々としたところを見出して、思う存分羽根を伸してみたくなって、作者はここに本篇「宇宙......
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  • タイトル: 宇宙の迷子
    著者: 海野十三
    出版社: ConTenDo
    概要:    ゆかいな時代  このゆかいな探険は、千九百七十何年だかにはじめられた。 いいですか。  探険家はだれかというと、川上一郎君、すなわちポコちゃんと、山ノ井万造君、すなわち千ちゃんと、この二人の少年だった。  川上君は、顔がまるく、ほっぺたがゴムまりのようにふくらみ....
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  • タイトル: もくねじ
    著者: 海野十三
    出版社: ConTenDo
    概要:    倉庫  ぼくほど不幸なものが、またと世の中にあろうか。  そんなことをいい出すと、ぜいたくなことをいうなと叱られそうである。 しかし本当にぼくくらい不幸なものはないのである。  ぼくをちょいと見た者は、どこを押せばそんな嘆きの音が出るのかと怪しむだろう。 身体は...
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  • タイトル: 地球要塞
    著者: 海野十三
    出版社: ConTenDo
    概要:    怪放送――お化け地球事件とは?  西暦一九七〇年の夏――  折から私は、助手のオルガ姫をつれて、絶海の孤島クロクロ島にいた。  クロクロ島――というのは、いくら地図をさがしても、決して見つからないであろう。  クロクロ島の名を知っている者は、この広い世界中に......
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  • タイトル: 暗号音盤事件
    著者: 海野十三
    出版社: ConTenDo
    概要: 国際都市  私たちは、暫くの間リスボンに滞在することになった。  私の連れというのは、例の有名な勇猛密偵の白木豹二のことだ。  リスボンは、ポルトガルの首都だ。 そのころリスボンは、欧州に於ける唯一つの国際都市の観があった。 この国は英米側に立つのでもなく、...
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  • タイトル: 脳の中の麗人
    著者: 海野十三
    出版社: ConTenDo
    概要:    奇異の患者 「ねえ、博士。 宮川さんは、いよいよ明日、退院させるのでございますか」 「そうだ、明日退院だ。 それがどうかしたというのかね、婦長」 「あんな状態で、退院させてもいいものでございましょうかしら」 「どうも仕方がないさ。 いつまで病院にいても、おなじこと....
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  • タイトル: 人造人間の秘密
    著者: 海野十三
    出版社: ConTenDo
    概要:    ドイツ軍襲来 「おい、起きろ。 ドイツ軍だ!」  隣室のハンスのこえである。 部屋の扉は、いまにも叩き割られそうである。  私は、自分でも、なんだかわけのわからない奇声を発して、とび起きた。  扉は、めりめりと、こわれはじめた。 「もしもし、今、扉を叩きこわ...
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  • タイトル: 什器破壊業事件
    著者: 海野十三
    出版社: ConTenDo
    概要:    女探偵の悒鬱 「離魂の妻」事件で、検事六条子爵がさしのばしたあやしき情念燃ゆる手を、ともかくもきっぱりとふりきって帰京した風間光枝だったけれど、さて元の孤独に立ちかえってみると、なんとはなく急に自分の身体が汗くさく感ぜられて、侘しかった。 「つよく生きることは、... ...
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  • タイトル: 爆薬の花籠
    著者: 海野十三
    出版社: ConTenDo
    概要:    祖国近し  房枝は、三等船室の丸窓に、顔をおしあてて、左へ左へと走りさる大波のうねりを、ぼんやりと、ながめていた。  波の背に、さっきまでは、入日の残光がきらきらとうつくしくかがやいていたが、今はもう空も雲も海も、鼠色の一色にぬりつぶされてしまった。 「ああ」 ......
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  • タイトル: 二、〇〇〇年戦争
    著者: 海野十三
    出版社: ConTenDo
    概要:    発端  そのころ、広い太青洋を挟んで、二つの国が向きあっていた。  太青洋の西岸には、アカグマ国のイネ州が東北から西南にかけて、千百キロに余る長い海岸線を持ち、またその太青洋の東岸には、キンギン国が、これまた二千キロに近い海岸線をもっていた。  キンギン国は、そこ......
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  • タイトル: 見えざる敵
    著者: 海野十三
    出版社: ConTenDo
    概要:  上海四馬路の夜霧は濃い。  黄いろい街灯の下をゴソゴソ匍うように歩いている二人連の人影があった。 「――うむ、首領この家ですぜ。 丁度七つ目の地下窓にあたりまさあ」  と、斜めに深い頬傷のあるガッチリした男が、首領の袖をひっぱった。 「よし。 じゃ入れ、ぬかるなよワー...
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  • タイトル: 鬼仏洞事件
    著者: 海野十三
    出版社: ConTenDo
    概要:    見取図  鬼仏洞の秘密を探れ!  特務機関から命ぜられた大陸に於けるこの最後の仕事、一つに女流探偵の風間三千子の名誉がかけられていた。  鬼仏洞は、ここから、揚子江を七十キロほど遡った、江岸の○○にある奇妙な仏像陳列館であった。  これは某国の権益の中に含め......
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  • タイトル: 氷河期の怪人
    著者: 海野十三
    出版社: ConTenDo
    概要:    ヒマラヤ越え  このふしぎな物語は旅客機ヤヨイ号が、ヒマラヤ山脈中に不時着した(?)事件から、はしなくも、くりひろげられる。  このヤヨイ号には、ある特別な用事をおびて、ヨーロッパへわたる特使団の一行がのっていた。 道彦少年も、その中に加わっていた。 彼は、団長木谷....
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  • タイトル: 千早館の迷路
    著者: 海野十三
    出版社: ConTenDo
    概要:      1  やがて四月の声を聞こうというのに、寒さはきびしかった。 夜が更けるにつれて胴慄いが出て来たので、帆村荘六は客の話をしばらく中絶して貰って、裏庭までそだを取りに行った。  やがて彼は一抱えのそだを持って、この山荘風の応接室に戻って来た。 しばらく使わなかった暖炉....
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  • タイトル: 地獄の使者
    著者: 海野十三
    出版社: ConTenDo
    概要:    プロローグ  その朝、帆村荘六が食事をすませて、廊下づたいに同じ棟にある探偵事務所の居間へ足を踏み入れたとき、彼を待っていたように、机上の電話のベルが鳴った。  彼は左手の指にはさんでいた紙巻煙草を右手の方へ持ちかえて、受話器をとりあげた。 「ああ、そうです。 私は....
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  • タイトル: 密林荘事件
    著者: 海野十三
    出版社: ConTenDo
    概要:  密林荘で、熊井青年が自殺したという事件が、例の有名な旗田警部のところへ廻されて来た。  この事件は、その熊井青年が青酸加里を飲んで死んだという点では明瞭であるが、その青酸加里を用意したのが当人であるか、それとも他の者であるかが明瞭でない。 それからもう一つの難点は、その密林荘が......
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  • タイトル: 洪水大陸を呑む
    著者: 海野十三
    出版社: ConTenDo
    概要:    ふしぎな器械 「ぼく、生きているのがいやになった」  三四郎が、おじさんのところへ来て、こんなことをいいだした。 「生きているのがいやになったって。 これはおどろいたね。 子供のくせに、今からそんなことをいうようじゃ心ぼそいね。 なぜそう思うんだい」  しらが頭に、...
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  • タイトル: 火星探険
    著者: 海野十三
    出版社: ConTenDo
    概要:    すばらしい計画  夏休みになる日を、指折りかぞえて待っている山木健と河合二郎だった。  夏休みが来ると二人はコロラド大峡谷一周の自動車旅行に出る計画だった。 もちろん自動車は二人がかわるがわる運転するのだ。 往復に五週間の日数があててあった。 これだけ日数があれば、...
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  • タイトル: 大脳手術
    著者: 海野十三
    出版社: ConTenDo
    概要:    美しき脛  いちばん明るい窓の下で、毛脛を撫でているところへ、例によって案内も乞わず、友人の鳴海三郎がぬっと入ってきた。 「よう」と、鳴海はいつもと同じおきまりの挨拶声を出したあとで、「そうやって、君は何をしているんだ」と訊いた。 「うん」  と、私は生返事をし......
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  • タイトル: 金属人間
    著者: 海野十三
    出版社: ConTenDo
    概要:    こんな文章  およそ世の中には、人にまだ知られていない、ふしぎなことがずいぶんたくさんあるのだ。  いや、ほんとうは、今の人々に話をして、ふしぎがられる話の方が、ふしぎがられない話よりもずっとずっと多いのだ。 それは九十九対一よりも、もっととびはなれた比であろうと......
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  • タイトル: 骸骨館
    著者: 海野十三
    出版社: ConTenDo
    概要: 廃工場の町  少年たちは、遊び方に困っていたし、また遊ぶ場所もなかった。  家と道のほかは、どこも青々とした家庭菜園であった。 道さえも、その両側がかなり幅をとって菜園になっており、その道を子供が歩くときでも、両側からお化けのように葉をたれている玉蜀黍や高粱を80かきわ......
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  • タイトル: 雪魔
    著者: 海野十三
    出版社: ConTenDo
    概要:  東京の学校が休みになったので、彦太少年は三月ぶりに木谷村へ帰って来た。 村はすっかり雪の中にうずまっていた。 この冬は雪がたいへん多くて、もう四回も雪下ろしをしたそうである。 駅をおりると、靴をかんじきにはきかえて村まで歩いたが、電柱が雪の中からほんのわずかに黒い頭を出しているばかり....
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  • タイトル: 断層顔
    著者: 海野十三
    出版社: ConTenDo
    概要:    事件依頼人  昭和五十二年の冬十二月十二日は、雪と共に夜が明けた。  老探偵帆村荘六は、いつものように地上室の寝床の上に目をさました。  美人の人造人間のカユミ助手が定刻を告げて起こしに来たからである。 「――そして先生。 今日は人工肺臓をおとりかえになる日...
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  • タイトル: 地球盗難
    著者: 海野十三
    出版社: ConTenDo
    概要: ネス湖の怪物 「ほんとうかなア、――」  と、河村武夫はつい口に出してしまった。 「えッ、ほんとうて、何のことなの」  武夫と一緒に歩いていたお美代は、怪訝な顔をして武夫の方にすり寄った。 「イヤ何でもないことだよ。 ……只ネス湖の怪物がネ」 「ネス湖の怪物? ....
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  • タイトル: 海底大陸
    著者: 海野十三
    出版社: ConTenDo
    概要: 大西洋上のメリー号  三千夫少年の乗り組んだ海の女王といわれる巨船クイーン・メリー号は、いま大西洋のまっただなかを航行中だった。  ニューヨークを出たのが七月一日だったから、きょうは三日目の七月三日にあたる。 油のようにないだ海面を、いま三十ノットの快速を出して航行して......
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  • タイトル: 蠅男
    著者: 海野十三
    出版社: ConTenDo
    概要:    発端  問題の「蠅男」と呼ばれる不可思議なる人物は、案外その以前から、われわれとおなじ空気を吸っていたのだ。  只われわれは、よもやそういう奇怪きわまる生物が、身辺近くに棲息していようなどとは、夢にも知らなかったばかりだった。  まことにわれわれは、へいぜい目......
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  • タイトル: 地中魔
    著者: 海野十三
    出版社: ConTenDo
    概要:    少年探偵三浦三吉  永く降りつづいた雨がやっとやんで、半月ぶりにカラリと空が晴れわたった。 晴れると同時に、陽の光はジリジリと暑さをもって来た。  ここは東京丸の内にある有名な私立探偵帆村荘六氏の探偵事務所だ。  少年探偵の三浦三吉は、今しも外出先から汗まみれに....
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  • タイトル: 三人の双生児
    著者: 海野十三
    出版社: ConTenDo
    概要:      1  あの一見奇妙に見える新聞広告を出したのは、なにを隠そう、この妾なのである。 「尋ネ人……サワ蟹ノ棲メル川沿イニ庭アリテ紫ノ立葵咲ク。 其ノ寮ノ太キ格子ヲ距テテ訪ネ来ル手ハ、黄八丈ノ着物ニ鹿ノ子絞リノ広帯ヲ締メ、オ河童ニ三ツノ紅キ『リボン』ヲ附ク、今ヨリ約......
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  • タイトル: 恐怖の口笛
    著者: 海野十三
    出版社: ConTenDo
    概要:    逢う魔が時刻  秋も十一月に入って、お天気はようやく崩れはじめた。 今日も入日は姿を見せず、灰色の雲の垂れ幕の向う側をしのびやかに落ちてゆくのであった。 時折サラサラと吹いてくる風の音にも、どこかに吹雪の小さな叫び声が交っているように思われた。  いま東京丸ノ内のオ....
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  • タイトル: 疑問の金塊
    著者: 海野十三
    出版社: ConTenDo
    概要:    尾行者  タバコ屋の前まで来ると、私は色硝子の輝く小窓から、チェリーを買った。  一本を口に銜えて、燐寸の火を近づけながら窓硝子の上に注目すると、向いの洋菓子店の明るい飾窓がうつっていた。 その飾窓の傍には、二人連の変な男が、肩と肩とを並べて身動きもせず、こっちを......
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  • タイトル:
    著者: 海野十三
    出版社: ConTenDo
    概要:  小春日和の睡さったらない。 白い壁をめぐらした四角い部屋の中に机を持ちこんで、ボンヤリと肘をついている。 もう二時間あまりもこうやっている。 身体がジクジクと発酵してきそうだ。  白い天井には、黒い蠅が停っている。 停っているがすこしも動かない。 生きているのか、死んでいるの...
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  • タイトル: 柿色の紙風船
    著者: 海野十三
    出版社: ConTenDo
    概要: 「おや、ここに寝ていた患者さんは?」  と林檎のように血色のいい看護婦が叫んだ。 彼女の突っ立っている前には、一つの空ッぽの寝台があった。 「ねえ、あんた。 知らない?」  彼女は、手近に居た青ン膨れの看護婦に訊いた。 「あーら、あたし知らないわよ」  といって編物の手を...
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  • タイトル: ゴールデン・バット事件
    著者: 海野十三
    出版社: ConTenDo
    概要:      1  あの夜更、どうしてあの寂しい裏街を歩いていたのかと訊かれると、私はすこし顔が赭くなるのだ。  兎に角、あれは省線の駅の近所まで出て、円タクを拾うつもりで歩いていたのだった。 連れが一人あった。 帆村荘六なる男である。 ――例の素人探偵の帆村氏だった。 ...
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  • タイトル: 地獄街道
    著者: 海野十三
    出版社: ConTenDo
    概要:      1  銀座の舗道から、足を踏みはずしてタッタ百メートルばかり行くと、そこに吃驚するほどの見窄らしい門があった。 「おお、此処だ――」  と辻永がステッキを揚げて、後から跟いてくる私に注意を与えた。 「ム――」  まるで地酒を作る田舎家についている形ばか......
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  • タイトル: 赤外線男
    著者: 海野十三
    出版社: ConTenDo
    概要:      1  この奇怪極まる探偵事件に、主人公を勤める「赤外線男」なるものは、一体全体何者であるか? それはまたどうした風変りの人間なのであるか? 恐らくこの世に於て、いまだ曾て認識されたことのなかった「赤外線男」という不思議な存在――それを説明する前に筆者は是非とも... ...
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  • タイトル: 爬虫館事件
    著者: 海野十三
    出版社: ConTenDo
    概要:      1  前夜の調べ物の疲れで、もう少し寝ていたいところを起された私立探偵局の帆村荘六だった。 「お越し下すったのは、どんな方かね」 「ご婦人です」助手の須永が朗らかさを強いて隠すような調子で答えた。 「しかも年齢の頃は二十歳ぐらいの方です」 (なにが、しかも......
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  • タイトル: 夜泣き鉄骨
    著者: 海野十三
    出版社: ConTenDo
    概要:      1  真夜中に、第九工場の大鉄骨が、キーッと声を立てて泣く――  という噂が、チラリと、わしの耳に、入った。 「そんな、莫迦な話が、あるもんか!」  わしは、検査ハンマーを振る手を停めて、カラカラと笑った。 「そう笑いなさるけどナ、組長さん」その噂を持......
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  • タイトル: 殺人の涯
    著者: 海野十三
    出版社: ConTenDo
    概要: 「とうとう女房を殺してしまった」  私は尚も液体を掻き廻しながら、独り言を云った。  大きな金属製の桶に、その白い液体が入っていた。 桶の下は電熱で温められている。 ちょっとでも、手を憩める遑はない。 白い液体は絶えずグルグルと渦を巻いて掻き廻わされていなければならない。 液体...
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