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片山広子

検索結果49件中1件から45件までを表示
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  • タイトル: 小さい芸術
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要:  むかしの世では、あづまから京へ、京から筑紫のはてへと、手紙を書いたり書かれたりすることが、非常に珍しひことであり、又一生のうちの幾つかに数へられるよろこびでもあつたらうと思ふ。 その時代の人々の静かな余裕ある心では、その手紙のためにたくさんの時間と真心と技巧をも与へることが出来た... ...
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  • タイトル: 「灯火節」あとがき
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要: 「燈火節」あとがき 片山廣子  もう二十何年か前、昭和の初めごろ、私は急に自分の生活に疲れを感じて何もかもいやになつてしまつた。 それまで少しは本も読み、文学夫人といふやうな奇妙なよび名もつけられてゐたけれど、そんな事ともすつかり縁をきつて、ぼんやりと庭の草取りなぞして日を... ...
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  • タイトル: イエスとペテロ
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要:  聖書の中にあるイエス・キリストやお弟子たちの話が、人の口から耳へ、思ひもかけない遠くの国に伝へられて、その国のキリストやペテロの話になつてゐることもある。 これはアイルランドの民話で、ユダヤ、サマリヤ、ガリラヤの国々がすぐ彼等の村々に続いてゐるやうにも聞える話である。  イエス......
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  • タイトル: 林檎のうた
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要: 麦の芽のいまだをさなき畑に向く八百屋の店は一ぱいの林檎 深山路のもみぢ葉よりも色ふかく店の林檎らくれなゐめざまし 立ちて見つつ愉しむ心反射して一つ一つの林檎のほほゑみ みちのくの遠くの畑にみのりたる木の実のにほひ吾を包みぬ 手にとればうす黄のりんご香りたつ熟れみのりたる果... ...
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  • タイトル: 四つの市
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要:  グレレゴリイ夫人の伝説によると、むかしゲエル人の先住民ダナ人らがアイルランドに渡つて来た時には、大ぞらの空気の中を通つて霧に乗つて来たさうである。 ダナ人は北の方から来たと書いてあるが、その北の方に四つの都市があつた。 まづ大きな市ファリアス、それから光りかがやくゴリアスとフィニア......
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  • タイトル: 燃える電車
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要:  昭和二十六年四月二十四日、午後一時四十分ごろ、京浜線桜木町ゆき電車が桜木町駅ホームに正に入らうとする直前、最前車の屋根から火花を発して忽ちの間に一番目の車は火の海となり、あわてて急停車したが、二番目の車にも火が移つて、最前車は全焼、二番目は半焼し、この二台の車にいつぱい乗つてゐ... ...
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  • タイトル: 北極星
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要:  よる眠る前に、北の窓をあけて北の空を見ることが私のくせになつてしまつた。 窓から二間ぐらゐ離れて、隣家の地主の大きな納屋が立つてゐる、むかし住宅であつたこの納屋は古くても立派な屋根をもつてゐる。 その黒々とした大きな屋根の上を少しはづれたところに北斗の星がみえる。 どこで見ても変らな....
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  • タイトル: 花屋の窓
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要: 暮れかかる山手の坂にあかり射して花屋の窓の黄菊しらぎく  この歌は、昭和十一年ごろ横浜の山手の坂で詠んだのであるが、そのときの花屋の花の色や路にさした電気の白い光も、すこしも顕れてゐない。 何度か詠みなほしてみても駄目なので、そのまま投げてしまつた。 しかし歌はともかく、秋のたそが......
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  • タイトル: 入浴
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要:  入浴は、コーヒーを飲み甘い物をたべるのと同じやうに私たちにはたのしいリクリエーシヨンで、同時にどうしてもはぶくことの出来ない清潔法である。 戦争で国も家々もだんだん貧乏して来た時に、たき物の都合から私はやうやく思ひきつて街の湯に出かけることにした。 その銭湯は家の門を出て西の方角に......
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  • タイトル: 茄子畑
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要: 茄子畑 片山廣子  はがきを出さうと思つて、畑道を通つて駅前のポストの方に歩いて行つた。 まだこの辺は家が二三軒建つただけで以前のままの畑である。 夕日が真紅く空をそめて、高井戸駅の方から上り電車が走つてくる音がする。 いつも通るうら道なのだが、今日はどうしたはづみか五年前のあ....
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  • タイトル: たんざくの客
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要:  大正のいつごろであつたか、大森新井宿で私はサラリーマンの家の平和な生活をしてゐた時分、或る日奇妙なおじいさんが訪ねて来た。 どんな風に奇妙なのか、ただ取次に出た少女が奇妙なおじいさんと言つた。 おじいさんは名も言はずただ一枚の短冊を出して、これを奥さんにお目にかけて下さい、用向きも......
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  • タイトル: 鷹の井戸
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要:  今は世にないアイルランドの詩人イエーツが書いた舞踊劇の一つに「鷹の井戸」といふのがある。 その鷹の井戸がこの世にあるとしたら、どの辺にあるのだらうか? 詩人の言葉を借りてみよう。 「はしばみの枝々うごき 日は西にしづむ  風よ 潮かぜよ 海かぜよ  いまは眠るべき時なるを... ...
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  • タイトル: その他もろもろ
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要:  たぶん五六年前のことと覚えてゐる。 私の歌の友だちの栗原潔子さんが小野小町の墓を訪ねる歌を十首ばかりの連作にして、どこかの雑誌に出したことがある。 作者が何かの用事で栗橋の近くまで行つたとき、むかし小町が都にも住みきれず落ちぶれきつてみちのくへ行く旅の途中、その辺の路傍に死んでしま......
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  • タイトル: 掏摸と泥棒たち
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要:  Y氏が山手線電車の中で集団掏摸のためにポケツトの中をみんな奪られて帰つて来た。 その日Y氏夫妻は帝劇の「モルガンお雪」を観ることになつてゐて、Y氏の切符はポケツトの中のほかの物と一しよに掏摸の手に渡り、奥さんの切符は無事に家に残つてゐた。 一人でも行つて観て来たらとY氏は言つたが、......
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  • タイトル: 菊池さんのおもひで
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要:  菊池寛さんが「忠直卿行状記」を書かれるより少し前だつたと思ふ、時事新報の文芸記者として、或る日私の大森の家にインタビューに来られた、ある日ではなく、或る夜だつた。 アイルランド物の翻訳に私が夢中になつてゐる時分で、私の訳したものについて何か書いて下さるためだつた。 電話もなく突然だ......
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  • タイトル: 軽井沢の夏と秋
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要:  三月二十四日にTが亡くなつた。 その二日ばかり前に私は彼と会つて一時間ばかり話をした。 その時も彼は空襲がだんだんひどくなるから母さんは早く軽井沢に行つた方がよろしい、自分たちもすぐあとから行くからと私を急かしてゐた。 もし軽井沢から急に東京に帰れない場合は彼の妻の実家である岐阜県の....
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  • タイトル: 乾あんず
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要:  十坪に足りない芝庭である。 ひさしく手を入れないので一めんに雑草が交つて野芝となつてしまつた。 しかし野も林も路もすべての物が青む季節になれば、野芝の庭もめざましく青い。 庭のまん中よりやや西に寄つて一本のいてふの樹が立つてゐる。 心をきり落したので、いてふはずんぐりとふとつて無数の...
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  • タイトル: 買食ひ
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要: 買食ひ 片山廣子  むかし私がまだむすめ時代には、家々の奥さんたちが近所の若い主婦やおよめさんの悪口をいふとき、あの人は買食ひが好きですつてね、毎日のやうに買食ひをしてゐるんですつて! といふやうなことを言つて、それが女性の最大の悪徳のやうであつた。 それが美徳でないことは... ...
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  • タイトル: お嬢さん
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要: お嬢さん 片山廣子  花の里、吉原にその青年は初めて行つたのである。 それから十日位すぎて私にその夜のてんまつを聞かしてくれた。 彼と私とは年齢の差を越えての友達だつた。 青年は古い紳士の家に生れて上品で神経質だつたが、同時に人のおもひもかけない突飛な真似もする人で、その吉原行....
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  • タイトル: 「王の玄関」イエーツ戯曲
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要:  この頃何年ぶりかでイエーツの戯曲「王の玄関」をよみ返してみた。 芝居としては面白くないかもしれないと思つたが、アイルランド人である作者の心がみんなの人物のうちに映つて、天才も常識者も乞食も軍人も愉快に勝手にせりふを言つてゐる。 王宮の入口だけを舞台にして、うごきの少ない芝居であるが......
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  • タイトル: 赤とピンクの世界
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要: 赤とピンクの世界 片山廣子  農村が町となり、ながめが好く空気もきれいなので、だんだん新しい家が出来て、住む人も多くなつて来た。 町のひらけ始めた時分に出来た十軒ばかりの家は、それぞれ屋根の色がちがひ坪数もちがつてゐるが、どの家もみんなみづみづしい生垣で、庭に椿や海棠やぼけ... ...
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  • タイトル: ミケル祭の聖者
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要:  九月二十八日はミケルマス(ミケル祭)といつて、聖マイケルを記念する祭日である。 むかしはミケルマスの前夜にはたいそう賑やかな催しがあり、幾組かのあたらしい婚約者も出来あがる慣はしであつたさうだが、現代ではどの聖者の祭日もみんな同じやうなもので、先づおミサに始つて、それから家々で飲... ...
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  • タイトル: トイレット
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要:  何年も何十年も前のことが記憶の中のどこかによどんで残つてゐて、明方の夢にそれをはつきり見ることがある。 これは夢にみたのではなく、何の用もなくつながりもないことなのに、ふいと思ひ出したのである。 明治もまだわかい二十四五年ごろか、もつと前の事だつたかもしれない、麻布一聯隊の兵舎に近......
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  • タイトル: コーヒー五千円
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要:  洗足池のそばのHの家に泊りに行つて、Hの弟のSにたびたび会つた。 Sは、南の方のある島から僅かに生き残つて帰つて来た少数の一人であつた。 すつかり体の調子が悪くなつたので伊東温泉に行つたり東京に出て来たりして養生してゐる時で、彼はその時分しきりにおいしい物がたべたいので、魚や肉を買......
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  • タイトル: アラン島
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要:  雨ばかり多い春であつたが、今日は珍らしくよく晴れて空気も寒いくらゐ澄んでゐる。 南むきの硝子戸のそとのコンクリに配給のイモを出して乾した。 かなり沢山の、五貫目くらゐもあらうか、イモたちの顔も天日に乾されることを喜んでゐるらしくみえた。 これだけあれば相当ながく食べられると思ふ満足感....
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  • タイトル: よめいり荷物
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要:  今から四十年あるひは五十年ぐらゐ前の嫁入支度はたいてい千五百円から二千円ぐらゐの金で充分間に合つたのである。 その二千円を今の金に計算してみるとかなりの物かも知れないが、とにかく娘が三人あつたとして、二千円づつ六千円ぐらゐならば、親たちもどうにか出すことが出来たらしい。  およ......
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  • タイトル: 身についたもの
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要:  M夫人は私たち十二三の時からの学校友達で、むかしも今も親しくしてゐるが、彼女は実家も婚家も非常に裕福なので趣味としての諸芸に達して、殊にお茶や歌では趣味以上のくろうとである。 その彼女がある時言つた。 「私はずゐぶんいろいろなお稽古ごとをやつてみましたけれど、何といつても、十代の時......
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  • タイトル: まどはしの四月
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要:  その小説はエンチヤンテッド・エプリル(まどはしの四月)といふ題であつたとおぼえてゐる。 大正のいつ頃だつたか、もう三十年も前に読んで、題までも殆ど忘れてゐたが、二三日前にふいと思ひ出した。 ロンドンで出版されて当時めづらしいほどよく売れた大衆もので、作者の名も今はわすれた。  郊....
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  • タイトル: 古い伝説
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要:  いつ、どんな本で読んだ伝説かはつきり覚えてゐない、夢のなかでどこかの景色を見て、蒼ぐらい波の上に白い船が一つみえてゐたやうに、伝説の中の女の姿を思ひ出す、美しい女である。 世界最初の女、イヴよりもずつと前にこの世界にゐた美しいリリスである。  神は七日のあひだに、つまり七千年か......
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  • タイトル: 二人の女歌人
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要:  小野小町は小野の篁の孫で、父は出羽守良真とも伝へられ、仁明、文徳、清和の頃の人と思はれるが、生死の年月もはつきり分らず、伝説は伝説を生み、今の私たちには彼女が美しかつたといふ事と、すぐれた歌人であつたといふことだけしか伝はらない。 久しぶりにこの頃小町の歌を読みかへす機会があつた... ...
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  • タイトル: ともしい日の記念
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要:  終戦直後わが国にゐた外人たちの中で、兵隊さんたちはみんな一食づつきまつた配給であつたから、その人たちはそれでもよかつたが、家族づれの一家で軽井沢に暮してゐる人たちなぞ私たち以上にともしかつた。 彼らは私たちのやうに蓮根や牛蒡は食べられず、たべ馴れた野菜の馬鈴薯とかきやべつ玉葱と、... ...
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  • タイトル: 徒歩
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要:  銭形平次の時代には乗物といつてもバスも電車もなく、さうむやみとお駕籠にも乗れなかつたらうから、八五郎が聞きこみをすれば、向う柳原の伯母さんの家からすぐ飛び出して神田の平次の家まで駈けてゆく。 そらつと言つて平次は両国だらうが浅草だらうが吉原だらうが行つてみなければならない。 歩く方......
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  • タイトル: 地山謙
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要:  Tが私のために筮竹や筭木を買つて来て、自分で易を立てる稽古をするやうすすめてくれたのは、もうずゐぶん古い話であつた。 お茶やお花のやうに易のお稽古をするといふのも変な言ひかたであるけれど、初めのうち私はほんとうに熱心にその稽古を続けてゐた。 易の理論は何も知らず、内卦がどうとか外卦......
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  • タイトル: 子供の言葉
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要:  五月五日「こどもの日」の新聞に「子供からドロ棒へ」といふ文が出てゐた。 「このごろぼく達の学級会でとり上げた問題ですが、いくら討議しても先生にお願いしてもムダなので、世の中の人、特にドロ棒する人に訴へたいと思ひます、それは最近一ヶ月ぐらいの間にぼく達の学校のプールの廻りの排水... ...
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  • タイトル: 蝙蝠の歴史
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要:  古いゲエルの伝説に出てくる蝙蝠の話を読むと、昔の昔から彼はきらはれものであつたらしい。 蝙蝠にはいろいろの名があつたらしいが「黒い放浪者」といふのが一ばん詩的な名だとその伝説の筆者は書いてゐる。  世界の初めごろ蝙蝠は川蝉のやうに青い色で、胸は燕のやうに白く、そしてうるほひ深い......
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  • タイトル: 過去となつたアイルランド文学
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要:  今はもう昔のこと、イエーツは一九二三年にノーベル文学賞をもらつた時の感想を書いてゐる――その時私の心にはここにゐない二人のことが考へられた。 遠い故郷にただ一人で寂しく暮らしてゐる老婦人と、わかくて死んだもう一人の友と――。 グレゴリイ夫人とシングとはイエーツと共にアイルランドの文......
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  • タイトル: 池を掘る
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要: 池を掘る 片山廣子  その頃、防空壕は各戸に一つか二つ位づつ掘られてゐたが、防火貯水池もだんだん必要となつて来たので、至急に用意をするやうその筋の命令が出た。 山王一丁目二丁目新井宿一丁目から七丁目まで一町ごとに一つの貯水池はぜひ必要で、神社の境内か町内の空地にそれぞれ掘る... ...
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  • タイトル: あけび
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要:  隣家の庭に初めてあけびが生つたからと沢山わけていただいた。 私といつしよに暮してゐる山形生れのHは、かねてからあけびは実よりも皮の方がおいしい、皮を四五日かげぼしにしてから細かくきざんで油でいためたのを醤油でゆつくり煮しめて食べるのだといふことをしきりに言つてゐたから、すぐにその... ...
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  • タイトル: 「子猫ノハナシ」
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要:  明治の末頃、田辺和気子といふ有名なお茶の先生があつた。 その田辺先生に私は二年ぐらゐお茶を教へていただいた。 先生はお花も教へてをられ、金曜日には先生のあまり広くないお宅は花屋から持ちこむお花で、お座敷も椽側もいつぱいになつた。 お流儀花の池の坊であつたが、ほんとうはお茶のついでに教....
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  • タイトル: 豚肉 桃 りんご
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要:  軽井沢の家でY夫人から教へて頂いた豚肉のおそうざい料理はさぞおいしいだらうと思ひながら、まだ一度も試食したことがない。 (その夏は中国と日本とのあひだが険しい雲ゆきになつた年であつた、しかし私たちはまだ軽井沢に避暑に行くだけの心の余裕をもつてゐた。)それはY家の御主人がドイツに留... ...
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  • タイトル: ばらの花五つ
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要: ばらの花五つ 片山廣子  むかし私はたいそう暇の多い人間だつた。 どうしてそんなに暇があつたのかと考へてみると、しなければならないもろもろの仕事をしなかつたせゐだらうと思はれる。  さういふなまけものの人間が時たま忙しいことがあると、すぐ草臥れてしまつて、くたびれた時には......
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  • タイトル: 浜田山の話
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要:  和染の大家である木村和一氏が大森新井宿の家を引払つて井の頭線浜田山に移られた後、その改築された殆ど新築のやうな意気なお家を私は娘につれられてお訪ねした。 大森からはたいへんな田舎のやうに思はれる浜田山で、青々した畑がひろがつてる中に山のやうに樹々のかたまり繁つたところもあり、竹籔... ...
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  • タイトル: 東北の家
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要: 東北に子の住む家を見にくれば白き仔猫が鈴振りゐたり  東京に生れて東京にそだち東京で縁づいたFが、はじめて仙台に住むことになつたのは昭和十六年の夏であつた。 Fの夫が商工省から仙台の鉱山局に転じて行つたのである。 そとに出ることをひどく面倒がる私も、私としては気がるによばれて仙......
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  • タイトル: 灯火節
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要:  先日読んだ話のなかに燈火節といふ字が出てゐた、二月の何日であつたか日が分らないまま読んでゐたのを、今日辞書で探してみると、燈火節二月二日、旧教にては、この日に蝋燭行列をなし、一年中に用ひる蝋燭を祓ひ清むる風習あるを以てこの名あり、とあつた。 先日読んでゐたのは聖女ブリジツトの物語... ...
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  • タイトル: 三本の棗
    著者: 片山広子
    出版社: ConTenDo
    概要:  いま浜田山の庭にある棗の木は私にとつては三本目の棗である。 小さい時泊りに行つた埼玉県の祖父の家に大きな棗があつた。 祖父の家の表門をはいるとすぐ左手に米倉が立つてゐたが、それは古びても美しい白壁の倉で、その戸口のすぐ側に大きな棗の木が立つてゐた。 祖父の家はひろくて、奥の倉につづく....
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