両国の秋
概要:
一
「ことしの残暑は随分ひどいね」
お絹は楽屋へはいって水色の裃をぬいだ。
八月なかばの夕日は孤城を囲んだ大軍のように筵張りの小屋のうしろまでひた寄せに押し寄せて、すこしの隙もあらば攻め入ろうと狙っているらしく、破れた荒筵のあいだから黄金の火箭のような強い光り...
(本文冒頭より抜粋)
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両国の秋
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