三十六プラス一　よき出会い

概要：

新米教師の清美誠司は、杉原高校に赴任、早々にクラス担任を任される。しかし、そのクラスは訳ありで他の教師達が担任になることを敬遠していた。しかし、誠司は生徒と接していくうち、前評判とは異なり、皆、純粋な若者達であることを理解していく。そんななか彼のクラスで喫煙問題が起き、処分が下される。しかし、それをきっかけとしてクラス全員で卒業を迎えようと一体感が高まっていく。そして迎えた卒業認定会議、合格点に達しない生徒が出てしまう。それは、日頃から規則に縛られ、マニュアル通りにしか生徒を指導できない教師や、このクラスに先入観を持つ教師の、いわば偏見から生まれたもので、正当な判断とは言いがたいものだった。誠司は、そんな偏見に対抗し猛烈に抗議する。一人の生徒をも見放さず、古い教育体制と闘っていくのだが……。新米教師と生徒達の想いが交錯し織りなす感動必至の長編小説。

著者紹介：
浜田 幸作（はまだ・こうさく）
高知県生まれ。鳴門教育大学大学院修了。1975年に公立高等学校教員となり、県教委指導主事を経て、2004年に高知丸の内高等学校長に就任。2009年に定年退職。同高等学校では、県内初全日制単位制高等学校長として教育改革を推進。全国初となる希望担任制を取り入れるなどで新聞やテレビ等で紹介された。同年から3年間、私立土佐女子中学高等学校長を務め、学校経営方針の明文化と実践により経営基盤の立て直しを図る。その後、高知学園大学・高知学園短期大学教授を務め2021年に退職。高知学園短大では幼児保育学科長として、保育者の育成に努めた。2016年から3年間民生委員・児童委員。執筆、編集等著作物多数。瑞宝小綬章（2022）、土佐の教育功績表彰（2007）、永年勤続表彰 （2001）他受賞歴多数。