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林芙美子

検索結果46件中1件から45件までを表示
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  • タイトル: 新生の門 ――栃木の女囚刑務所を訪ねて
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要:  わたしは刑務所を見にゆくと云うことは初めてのことです。 早い朝の汽車のなかで、わたしは呆んやり色々のことを考えていました。  この刑務所をみにゆくと云うことは、本当は一ヶ月前からたのまれていたのですけれど、何だか自分の気持ちのなかに躊躇するものがあって、のびのびに今日まで待って......
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  • タイトル: ふしぎな岩
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要:  夜になって、ふしぎな岩は、そっと動きはじめました。 岩が動くってへんですね。  あわいお星さまをすかして、霧のような山風が、ひくい谷間から、ごう、ごう、ごうと吹きあげています。 どこかの森の方で、フクロウが鳴いています。 岩は、どっこいしょと起きあがって、せいいっぱいにのびをしま...
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  • タイトル:
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要:  暗い晩で風が吹いてゐました。 より江はふと机から頭をもちあげて硝子戸へ顔をくつゝけてみました。 暗くて、ざは/\木がゆれてゐるきりで、何だか淋しい晩でした。 ときどき西の空で白いやうな稲光りがしてゐます。 こんなに暗い晩は、きつとお月様が御病気なのだらうと、より江は兄さんのゐる店の間...
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  • タイトル: 平凡な女
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要:  奥様同士が子供を連れての立話に、 「まア! お久しうございます。 皆様おかわりもなくていらっしゃいますか、一番お末の方、もう、こんなにおなりでございますの?」 「ええもう八ツになりまして、一年生でございますのよ」 「あらまア、そうですか、ほんとに早いもので、宅のがもうあなた... ...
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  • タイトル: 帯広まで
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要:  水気の多い南風が吹いていて、朝からごろごろ雷が鳴っていた。 昼から雨になった。 伊代は九太から手切れの金だと云って貰った四拾円の金を郵便局に貯金に行った。 雨の中を傘もささずに歩きながら、伊代は足が地につかないような、ふわふわした気持ちであった。 四枚の拾円札が貯金の通帳になってしま...
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  • タイトル: 朝御飯
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要:      1  倫敦で二ヶ月ばかり下宿住いをしたことがあるけれど、二ヶ月のあいだじゅう朝御飯が同じ献立だったのにはびっくりしてしまった。 オートミール、ハムエッグス、ベーコン、紅茶、さすがに閉口してしまって、いまだにハムエッグスとベーコンを見ると胸がつかえそうになる時がある。 ......
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  • タイトル: 淪落
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要:  わたしは、家のひとたちには無断で東京へ出て来た。 終戦となつて間もなく、わたしの村へ疎開して来ていた東京の人達はあわてゝみんな東京へかえつてしまつた。 田舎で一生を暮すような事を云つていた人達のくせに、戦争が済むと、本田さんも、山路さんもみんな東京へ戻つてしまつた。 わたしは、東京と....
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  • タイトル: 文学的自叙伝
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要:  岡山と広島の間に尾の道と云う小さな町があります。 ほんの腰掛けのつもりで足を止めたこの尾の道と云う海岸町に、私は両親と三人で七年ばかり住んでいました。 この町ではたった一つしかない市立の女学校に這入りました。 女学校は小さい図書室を持っていて、『奥の細道』とか、『八犬伝』とか、吉屋信....
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  • タイトル: 生活
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要: なににこがれて書くうたぞ 一時にひらくうめすもも すももの蒼さ身にあびて 田舎暮らしのやすらかさ  私はこのうたが好きで、毎日この室生さんのうたを唱歌のようにうたう。 「なににこがれて書くうたぞ」全く、このうたの通り、私はなににこがれているともなく、夜更けて、ほとんど毎... ...
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  • タイトル: 貸家探し
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要:  山崎朝雲と云うひとの家の横から動坂の方へぽつぽつ降りると、福沢一郎氏のアトリエの屋根が見える。 火事でもあったのか、とある小さな路地の中に、一軒ほど丸焼けのまま柱だけつっ立っている家のそばに、サルビヤが真盛りの貸家が眼についた。 玄関が二つあるけれども、がたがたに古い家で、雨戸が水......
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  • タイトル: 落合町山川記
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要: 遠き古里の山川を 思ひ出す心地するなり  私は、和田堀の妙法寺の森の中の家から、堰のある落合川のそばの三輪の家に引越しをして来た時、はたきをつかいながら、此様なうたを思わずくちずさんだものであった。 この堰の見える落合の窪地に越して来たのは、尾崎翠さんという非常にいい小説を... ...
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  • タイトル: 田舎がえり
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要:  東京駅のホームは学生たちでいっぱいだった。 わたしの三等寝台も上は全部学生で女と云えば、わたしと並んだ寝台に娘さんが一人だった。 トランクに凭れて泣いているような鼻のすすりかたをしている。 わたしは疲れていたので、枕もとのカアテンを引いてすぐ横になったが、眼をつぶらないうちに頭のとこ....
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  • タイトル: 恋愛の微醺
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要:  恋愛と云うものは、この空気のなかにどんな波動で飛んでいるのか知らないけれども、男が女がこの波動にぶちあたると、花が肥料を貰ったように生々として来る。 幼ない頃の恋愛は、まだ根が小さく青いので、心残りな、食べかけの皿をとってゆかれたような切ない恋愛の記憶を残すものだ。 老けた女のひと......
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  • タイトル: 下町
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要:  風が冷いので、りよは陽の当たる側を選んで歩いた。 なるべく小さい家を目的にして歩く。 昼頃だつたので、一杯の茶にありつける家を探した。 軒づたひに、工事場のやうな板塀を曲つて、銹びた鉄材の積み重ねてある奥をのぞくと、硝子戸の中で、ぱちぱちと火の弾ぜてゐる小舎があつた。 後から自転車で...
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  • タイトル: 美しい犬
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要:  遠いところから北風が吹きつけている。 ひどい吹雪だ。 湖はもうすっかり薄氷をはって、誰も舟に乘っているものがない。  ペットは湖畔に出て、さっきからほえたてていた。 ペットはモオリスさんの捨犬で、いつも、モオリスさんの別莊のポーチで暮らしている。 野尻湖畔のモオリスさんの別莊へ...
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  • タイトル: おにおん倶楽部
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要:  大木繁、滑川浩太郎、片貝巖、奧平善一、これだけが、おにおん倶樂部のメンバアである。  おにおん倶樂部の名付親は、巖ちゃんの兄さんの庄作さんで、英語でおにおんとは、玉葱の意味だそうである。 この四人はとても仲良しだけれども、四人とも氣が弱くて、何にでも感激する。 そしてすぐ泣くと云....
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  • タイトル: 狐物語
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要:  四國のある山の中に、おもしろい狐がすんでいました。  いつも、ひとりで歩くことがすきでしたが、ある雨の日、いつものように餌をあさってぼつぼつ歩いていますと、男の子が四五人、がやがや話しながら山を下っていました。  狐は、時々人間をみたことがあったし、人間は二本の足で立って歩......
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  • タイトル: 鶴の笛
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要:  昔、ききんのつづいた年がありました。 その村には鶴が大変たくさんいました。 鶴たちは毎日、たべものを探して歩きましたけれど、どこにもたべものがないので、気の早い鶴はみんな旅仕度をして遠くへ飛んでゆきました。  すると、足の悪い鶴と、そのお嫁さんだけが、その村へのこることになりまし....
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  • タイトル: 亀さん
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要:  むっくり、むっくり、誰もとおらない田舍みちを、龜さんが荷物を首にくくりつけて旅をしていました。 みちの兩側は廣い麥畑です。  麥畑の上をすずしい風がそよそよと吹いています。 「ああ、くたびれた。 どこへ行ったら水があるのかな。」龜さんは首を持ちあげて、じっとあたりをみました。 ...
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  • タイトル: ひらめの学校
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要:  ひらめの学校の女の校長先生は、このごろお年をとって眼鏡をかけました。 とても大きい眼鏡なので、生徒はびっくりしていました。 「まア、何て大きい眼鏡でしょうねえ。 あれでは陸の上まで見えるでしょうよ。 此の間、校長会議で竜宮へいらっした時、竜宮の街で、あの眼鏡を貰っていらっしゃった...
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  • タイトル: 絵本
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要:  赤い屋根だつたけれど、小さい家にお婆さんがひとりで住んでゐた80。  お婆さんは耳も遠いし、眼もかすんで不自由だつたけれど、何かいつも愉しさうだつた。 娘の子のつかふやうな針箱をそばに置いて、涼しい処でゐねむりをするので好きだつた。 家ぢゆうあけつぱなしなので白い蝶々がお婆さんの....
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  • タイトル: 子供たち
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要: 子供たち 林芙美子  雨が降つて暗い昼間であつた。 堀には汚水がいつぱい溢れてゐた。 床屋を出て雨傘を低く差しかけ、刈つて貰つた短い髪の毛にさはりながら歩いてゐると、後からぴちやぴちや汚水をはねて、「おばさん!」と言つて走つて来る子供があつた。 「何?」  振りかへると、....
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  • タイトル: クララ
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要:  むつは、何か村中が湧きかえるような事件を起してやりたくて寢ても覺めても色々なことを考えていました。 窓に頬杖をついて山吹のしだれた枝を見ていると、山吹の長い枝がふわふわ風にゆれています。 じっと見ているとだんだん面白くなって來ました。 風は神樣に違いないと思い始めました。 にんじゅつ...
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  • タイトル: 梟の大旅行
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要:  むかしあるところに、梟が住んでいました。 ふかいふかい森のなかで、晝も、ほの暗いところなのです。 あんまり暗い森のなかなので陽氣なお天氣の好きな、小鳥や、りすも、みんな、森のそとがわに出て住んでいました。  梟はたった一人ぼっちで淋しいので、晝間も歌をうたって暮していました。 ...
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  • タイトル: 崩浪亭主人
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要:  砂風の吹く、うそ寒い日である。 ホームを驛員が水を撒いてゐる。 硝子のない、待合室の外側の壁に凭れて、磯部隆吉はぼんやりと電車や汽車の出入りを眺めてゐた。  靴のさきが痛い。 何だか冷たいものでも降つてきさうな空あひで、ホームの中央に吊りさがつてゐる電氣時計は、四時を一寸廻つて、...
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  • タイトル: 愛する人達
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要: ばうばうとした野原に立つて口笛をふいてみても もう永遠に空想の娘らは来やしない。 なみだによごれためるとんのずぼんをはいて 私は日傭人のやうに歩いてゐる。 ああもう希望もない 名誉もない 未来もない。 さうしてとりかへしのつかない悔恨ばかりが 野鼠のやうに走つて行つた....
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  • タイトル: 夜福
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要:         一  青笹の描いてある九谷の湯呑に、熱い番茶を淹れながら、久江はふつと湯呑茶碗のなかをのぞいた。  茶柱が立つてゐる。 絲筋のやうなゆるい湯氣が立ちあがつてゐる。 「おばアちやん、清治のお茶、また茶柱が立つてゐますよ」  雪見障子から薄い朝の陽が射し込ん....
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  • タイトル: 婚期
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要:  九月にはいつて急に末の妹の結婚がきまつた。 妹と結婚をする相手は長い間上海の銀行に勤めてゐたひとで、妹とは十二三も年齡の違ふひとであつたが、何故だか末の妹の杉枝の方がひどくこのひとを好きになつてしまつて、急に自分がゆきたいと云ひ出した。  始めは長女の登美子にどうだらうかと仲人......
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  • タイトル: 濡れた葦
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要:      1  女中にきいてみると、こゝでは朝御飯しか出せないと云ふことで、ふじ子はがつかりしてしまつた。 子供たちは、いかにも心細さうにあたりをながめてゐる。 ふじ子はひよいとしたら、丼物でもとつてもらへるかも知れないと、女中に、何か食べものを取りよせてもらへるかときいてみた......
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  • タイトル: 幸福の彼方
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要:      一  西陽の射してゐる洗濯屋の狭い二階で、絹子ははじめて信一に逢つた。  十二月にはいつてから、珍らしく火鉢もいらないやうな暖かい日であつた。 信一は始終ハンカチで額を拭いてゐた。  絹子は時々そつと信一の表情を眺めてゐる。  長らくの病院生活で、色は白かつ...
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  • タイトル: 玄関の手帖
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要:      小さい就職  常次は東京へ來て三日目に職業がきまつた。 大森の近くにある、或る兵器を造る會社ださうで、會社も大きいけれど、職工の數も大變なものださうである。 常次が東京へ出て來た時、私は常次に、また、去年のやうに神田の食堂に出前持ちに行くのかとたづねてみると、常次は學......
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  • タイトル: 就職
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要:  何をそんなに腹をたててゐるのかわからなかつた。 埼子は松の根方に腰をかけて、そこいらにある小石をひろつては、海の方へ、男の子のやうな手つきで、「えゝいツ」と云つては投げつけてゐた。 石は二三間位しか飛ばないで、その邊の砂地の上へ濕つた音をたてておちてゐる。  冬の濱邊は、時々遠く....
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  • タイトル: 谷間からの手紙
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要:  第一信  まるで、それは登山列車へでも乗つてゐるやうでありました。 トンネルを抜けるたび、雲の流れが眼に近くなつて、泣いたあとの淋しさを感じてゐます。 「貴女のいらつしやる町はあれなンでせうね」  さう言つて、東京から一緒だつた兵隊さんが、谷間に見える小さい部落を指さします......
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  • タイトル: 多摩川
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要:  あまり暑いので、津田は洗面所へ顏を洗ひに行つた。 洗面所には大きい窓があつたが、今日はどんよりして風ひとつない。 むしむしした午後である。 「津田さん、お電話ですよ」  津田が呆んやり窓の外を眺めてゐると、女給仕が津田を呼びに來た。 オフイスへ戻つて卓上の電話へ耳をあてると、 ...
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  • タイトル: 或る女
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要:  何時ものやうに歸つて來ると、跫音をしのばせて梯子段へ足さぐりで行つたが、梯子段の下の暗がりで、良人の堂助が矢庭に懷中電燈をとぼした。 たか子はぎくつとして小さい叫び聲を擧げた。 「何さ‥‥まだ、あなた、起きていらつしたの?」 「寢てればよかつたのかい?」 「厭アな方ねえ、一......
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  • タイトル: 朝夕
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要:  わかればなしが持ちあがるのも、すべてはゆきなりの事だと、芯から声をあげて、嘉吉もなか子もあはあはあはと笑ひあつたのだが、嘉吉の心の中には、ゆきなりとは云ひぢよう、ゆきなりの事だと云ひきれないものがあつたし、なか子の心のうちには、これからひとり者になつてゆく淋しさを愉しんでゐるふ... ...
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  • タイトル: 清修館挿話
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要:  1 長い夏休みを終えて、東京へ帰つた谷村さんは、郊外の下宿を引き上げると、学校に近い街裏に下宿を見つけて越しました。  今までのように、朝起きると窓を開けて、櫟林を眺めたり、バンガロの美しい娘さんのピアノを聞いたりと云う風な、そんな訳にはゆきませんでしたが、夕方窓を開けると、... ...
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  • タイトル: 「リラ」の女達
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要:  1 もう、いゝかげん退屈しきつて、女達は雀をどりの唄をうたつてゐた。 ――その雀をどりの唄は、じいつと聞いてゐると、女達80自身の心境を語つてゐるやうで、外の雪のけはいと一緒に、何か妙に譚めいて聞えた。  料理店リラの前の赤い自動電話の屋根の上には、もう松茸のやうに雪が深くかぶ......
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  • タイトル: 大島行
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要:     一信  思ひたつた旅ながら船出した咋夜から今朝にかけて、風雨激しく、まぢかく大島の火の山が見えてゐながら上陸が仲々困難でした。 本當は、夜明けの五時頃にはもう上陸が出來るはずなのに、十時頃までも風力の激しい甲板の上に立つて、只ぢつと島裾を噛んで行く、白い波煙を見てゐる... ...
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  • タイトル: 晩菊
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要:  夕方、五時頃うかゞひますと云ふ電話であつたので、きんは、一年ぶりにねえ、まァ、そんなものですかと云つた心持ちで、電話を離れて時計を見ると、まだ五時には二時間ばかり間がある。 まづその間に、何よりも風呂へ行つておかなければならないと、女中に早目な、夕食の用意をさせておいて、きんは急... ...
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  • タイトル: 泣虫小僧
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要:        一  閻魔蟋蟀が二匹、重なるようにして這いまわっている。  啓吉は、草の繁った小暗いところまで行って、離れたまま対峙している蟋蟀たちの容子をじいっと見ていた。 小さい雄が触角を伸ばして、太った雌の胴体に触れると、すぐ尻を向けて、りいりい……と優しく羽根を鳴らし......
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  • タイトル:
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要:  暗い晩で風が吹いていました。 より江はふと机から頭をもちあげて硝子戸へ顔をくっつけてみました。 暗くて、ざわざわ木がゆれているきりで、何だか淋しい晩でした。 ときどき西の空で白いような稲光りがしています。 こんなに暗い晩は、きっとお月様が御病気なのだろうと、より江は兄さんのいる店の間...
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  • タイトル: 河沙魚
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要:  空は暗く曇って、囂々と風が吹いていた。 水の上には菱波が立っていた。 いつもは、靄の立ちこめているような葦の繁みも、からりと乾いて風に吹き荒れていた。 ほんの少し、堤の上が明るんでいるなかで、茄子色の水の風だけは冷たかった。 千穂子は釜の下を焚きつけて、遅い与平を迎えかたがた、河辺ま...
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 清貧の書
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要:      一  私はもう長い間、一人で住みたいと云う事を願って暮した。 古里も、古里の家族達の事も忘れ果てて今なお私の戸籍の上は、真白いままで遠い肉親の記憶の中から薄れかけようとしている。  ただひとり母だけは、跌ずき勝ちな私に度々手紙をくれて叱って云う事は、―― お......
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  • タイトル: 魚の序文
    著者: 林芙美子
    出版社: ConTenDo
    概要:  それだからと云って、僕は彼女をこましゃくれた女だとは思いたくなかった。  結婚して何日目かに「いったい、君の年はいくつなの」と訊いてみて愕いた事であったが、二十三歳だと云うのに、まだ肩上げをした長閑なところがあった。  ――その頃、僕達は郊外の墓場の裏に居を定めていたので、......
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