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上司小剣

検索結果4件中1件から4件までを表示
  • タイトル: 天満宮
    著者: 上司小剣
    出版社: ConTenDo
    概要: 一  府立病院の二等室は、其の頃疊が敷いてあつた。 竹丸の母は其の二等室に入つてから、もう四ヶ月の餘にもなる。 一度竹丸をよこして呉れと、度々父への便りに言つて來たけれど、父は取り合ひもしなかつた。  千代松といふ子供のやうな名を有つて居る人があつた。 四十二の厄年が七年前に...
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  • タイトル: 父の婚礼
    著者: 上司小剣
    出版社: ConTenDo
    概要: 一  父の婚禮といふものを見たのは、決して自分ばかりではない。 それは繼母といふものを有つた人々の、よく知つてゐることである。  曾て、クロポトキンの自傳を讀んだ時、まだ二十とはページを切らぬところに、父の婚禮を見ることが書いてあつたことを覺えてゐる。  ……母が死んでか....
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  • タイトル: ごりがん
    著者: 上司小剣
    出版社: ConTenDo
    概要: 一  先づごりがんといふ方言の説明からしなければならない。 言葉の説明は、外國語でも日本語でも、まことに難儀なことで、其の言葉自身より外に、完全な説明はないのだ。 言葉をもつて言葉を説明するといふほど愚かなことはない。 言葉を説明するものは、言葉の發する音による以心傳心で、他のい....
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  • タイトル: 石川五右衛門の生立
    著者: 上司小剣
    出版社: ConTenDo
    概要: 一  文吾(五右衞門の幼名)は、唯一人畦の小徑を急いでゐた。 山國の秋の風は、冬のやうに冷たくて、崖の下の水車に通ふ筧には、槍の身のやうな氷柱が出來さうであつた。 布子一枚で其の冷たい風に慄へもしない文吾は、實つた稻がお辭儀してゐる田圃の間を、白い煙の立ち騰る隣り村へと行くので......
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