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小酒井不木

検索結果49件中1件から45件までを表示
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  • タイトル: 江戸川氏と私
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要:  はじめて江戸川氏の作品に接したのは、大正十一年の夏頃ではなかったかと思う。 「新青年」の森下氏から同君の「二銭銅貨」と「一枚の切符」を送って来て、日本にもこれほどの探偵小説が生れるようになったから、是非読んで下さいとの事であった。 早速「二銭銅貨」を読んだところが、すっかり感心して......
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  • タイトル: ある自殺者の手記
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要:  加藤君、  僕はいよいよ自殺することにした。 この場合自殺が僕にとって唯一の道であるからである。  断って置くが、僕は決して、最近死んだ某文士を模倣するのではない。 世間の人は二つの自殺が相前後して発生すると、後の例を前の例の模倣であると見做そうとする。 しかし、これほど馬鹿げ...
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  • タイトル: 按摩
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要:  コホン、コホンと老按摩は彼の肩を揉みながら、彼の吸う煙草の煙にむせんで顔をしかめた。 少し仰向き加減に、首と右肩との角度を六十度ぐらいにして居るところを見ると、生れつきの盲人であるらしい。  郊外の冬の夜は静である。 「旦那はずいぶん煙草ずきですねえ。 三十分たたぬうちに十本...
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  • タイトル: 遺伝
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要: 「如何いう動機で私が刑法学者になったかと仰しゃるんですか」と、四十を越したばかりのK博士は言った。 「そうですねえ、一口にいうと私のこの傷ですよ」  K博士は、頸部の正面左側にある二寸ばかりの瘢痕を指した。 「瘰癧でも手術なすった痕ですか」と私は何気なくたずねた。 「いいえ、....
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  • タイトル: 犬神
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要:  私に若しポオの文才があったならば、これから述べる話も、彼の「黒猫」の十分の一ぐらいの興味を読者に与えることが出来るかもしれない。 然し、残念ながら、私はこれ迄、会社員をした経験があるだけで、探偵小説を読むことは好きであったが、二十五歳の今日に至るも、一度もこうした物語風のものに筆... ...
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  • タイトル: 狂女と犬
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要:  京都の高等学校に居た頃、――それはたしか明治四十一年だったと思うが――私は、冬休みに、京都から郷里の名古屋まで、名所見物を兼ねて、徒歩で帰ろうと思い立った。 汽車ならば五時間、悪七兵衛景清ならば十時間かからぬくらいの道程を五日の予定で突破? しようというのであるから、可なりゆっく... ...
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  • タイトル: 血友病
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要: 「たとい間違った信念でもかまいません、その信念を守って、精神を緊張させたならば、その緊張の続くかぎり、生命を保つことが出来ると思います」  医師の村尾氏は、春の夜の漫談会の席上で、不老長寿法が話題に上ったとき、極めて真面目な顔をして、こう語りはじめました。 「今から十年ほど前... ...
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  • タイトル: 現場の写真
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要: 一  その年の春はいつまでも寒さが続いたので、塚原俊夫君は、私に向かって、また大地震でも起こらねばよいがなどと、時々私を気味悪がらせておりました。 けれども、幸いに、大きな天災地変もなく、五月に入ってからは急に暖かくなって、実験室の前の躑躅が一時に咲き揃いました。 「兄さん......
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  • タイトル: 好色破邪顕正
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要: 探偵志願  戸針康雄は、訪問者が丑村という刑事であることを知るなり、ぎくりとして、思わずも手にして居た新聞紙を取り落した。 不吉な予感が、彼の手を麻痺せしめたからである。  刑事は、す早く身を屈めて、康雄の落した新聞紙を拾い上げ、 「おお、やっぱり、ゆうべの殺人事件の記事......
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  • タイトル: 「小酒井不木集」はしがき
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要:  私は元来学究の徒でありまして、研究室以外の世の中をあまり見ておりませんですから、私の作品には研究室のにおいが濃厚につきまとっております。 けれども、それが一方において私の作品の特色ともなっていると思います。 本集には、私の最も力を注いだ探偵小説を集めました。  集中の「少年科学探....
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  • タイトル: 死の接吻
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要: 一  その年の暑さは格別であった。 ある者は六十年来の暑さだといい、ある者は六百年来の暑さだと言った。 でも、誰も六万年来の暑さだとは言わなかった。 中央気象台の報告によると、ある日の最高温度は華氏百二十度であった。 摂氏でなくて幸福である。 「中央気象台の天気予報は決して信用...
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  • タイトル: 『少年科学探偵』序
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要:  本書に収めた六編の探偵小説は、雑誌『子供の科学』に連載されたもので、尋常五六年生から中学二三年生までくらいの少年諸君の読み物として書いたのであります。  現代は科学の世の中でありまして、科学知識がなくては、人は一日もたのしく暮らすことができません。 しかし、科学知識を得るには、......
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  • タイトル: 新案探偵法
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要: 一  鯉坂嗣三君は生理学者であります。  彼は奇人とよばれることを頗る嫌って居りますけれど、友人たちは、ことごとく彼を奇人だといって居ります。 すべて、医学を修めて、「医者」にならない人間には、どこかに変ったところのあるものですが、とりわけ、生理学を専攻する者の中には、ちょ......
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  • タイトル: 人工心臓
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要:  一  私が人工心臓の発明を思い立った抑ものはじまりは、医科大学一年級のとき、生理学総論の講義で、「人工アメーバ」、「人工心臓」の名を聞いた時でした。 ……  と、生理学者のA博士は私に向って語った。 A博士は曾て、人工心臓即ち人工的に心臓を作って、本来の心臓に代... ...
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  • タイトル: 血の盃
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要: 一  因果応報は仏教の根本をなす思想であって、私たち日本人も、伝統的にこの因果応報の観念に支配され、悪いことをすれば、必ずそれに対するむくいが来はしないかと、内心ひそかに恐れ慄くのが常である。 そうした恐怖が一旦人の心に蟠ると、何か悪い出来事が起るまでは、その恐怖心が漸次に膨... ...
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  • タイトル: 肉腫
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要:  一 「残念ながら、今となっては手遅れだ。 もう、どうにも手のつけようが無い」  私は、肌脱ぎにさせた男の右の肩に出来た、小児の頭ほどの悪性腫瘍をながめて言った。 「それはもう覚悟の上です」と、床几に腰かけた男は、細い、然し、底力のある声で答えた。 「半年前に先... ...
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  • タイトル: 猫と村正
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要: 「母危篤すぐ帰れ」という電報を受取った私は、身仕度もそこそこに、郷里名古屋に帰るべく、東京駅にかけつけて、午後八時四十分発姫路行第二十九号列車に乗りこんだ。 この列車は昨今「魔の列車」と呼ばれて盗難その他の犯罪に関する事件が頻々として起り、人々の恐怖の焦点となって居て、私も頗る気味... ...
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  • タイトル: 初往診
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要:  先刻から彼は仕事が手につかなかった。 一時間ばかり前に、往診から戻って来た彼は、人力車を降りるなり、逃げ込むように、玄関の隣りにある診察室へ入ると、その儘室内をあちこち歩いて深い物思いに沈むのであった。  彼の胸はいま、立っても居ても居られないような遣瀬ない気持で一ぱいであった......
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  • タイトル: 鼻に基く殺人
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要: 「もうじき、弘ちゃんが帰ってくるから、そうしたら、病院へつれて行って貰いなさい」  由紀子は庭のベンチに腰かけて、愛犬ビリーの眼や鼻をガーゼで拭ってやりながら、人の子に物言うように話すのであった。 「ほんとうに早くなおってよかったわねえ、お昼には何を御馳走してあげましょうか」... ...
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  • タイトル: 卑怯な毒殺
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要:  病室の一隅には、白いベッドの掛蒲団の中から、柳の根のように乱れた毛の、蒼い男の顔が、のぞいていた。 その顔の下半分には、口だけが孔となって、厚い繃帯がかけられてあった。  ベッドの脇には干物のように痩せた男が立っていた。 彼は兀鷹のように眼をぎょろつかせて、病人の不思議な感じのす....
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  • タイトル: 暴風雨の夜
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要: 一  秋も酣なる十一月下旬のある夜、××楼の二階で、「怪談会」の例会が開かれた。 会員は男女五人ずつ併せて十人、百物語の故事にならって、百という数の十分の一に相当する十人が毎月一回寄合っての怪談会である。  今夜はF君が、最近手に入れたという柳糸堂の「拾遺御伽婢子」の原本を......
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  • タイトル: 三つの痣
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要:  一  法医学者B氏は語る。  私のこの左の頬にある痣の由来を話せというのですか。 御話し致しましょう。 いかにもあなたの推定されたとおり、生れつきに出来た痣ではなくて、後天的に、いわば人工的に作られたものです。 これはある男の暴力によって作られたものですが、皮... ...
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  • タイトル: 印象
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要:  毎月一回、同好のものによって開かれる犯罪学集談会の席上で、今宵は「女子の復讐心」が話題となりました。 正午過から降り出した吹雪のために、集ったのは僅かに五人の男子でありましたが、五人はいつものように鹿爪らしくならないで、各々椅子を引き寄せてストーヴを取り囲み、ウイスキーを飲み、煙... ...
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  • タイトル: 変な恋
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要:  変な人間が恋をすると、変な結末に終り易い。 しかしたとい変な人間の恋といえども、恋そのものは決して変ではなく、変でない人の恋と同じであるけれども、結末が変であれば、まあ「変な恋」といってもよいであろう。  アメリカ合衆国にニューヨークという所がある。 こういうと読者は人を馬鹿にす....
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  • タイトル: 被尾行者
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要:  市内電車の隅の方に、熱心に夕刊を読んでいる鳥打帽の男の横顔に目をそそいだ瞬間、梅本清三の心臓は妙な搏ち方をした。 「たしかに俺をつけているんだ」清三は蒼ざめながら考えた。 「あれはきょう店へ来た男だ。 主人に雇われた探偵にちがいない。 主人はあの男に俺の尾行を依頼したんだ」  ...
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  • タイトル: 体格検査
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要:  一 「また入学試験で、若い人達は骨身を削っているようですねえ」  客の藤岡さんは、しんみりした口調で言いました。 「実にかわいそうなことです。 心身過労の結果、高等学校などでは、折角入学してもすぐ病気になって再び起つことが出来ないものが沢山あるそうです。 どう... ...
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  • タイトル: 怪談綺談
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要:   はしがき  伽婢子の昔から日本も随分怪談に恵まれているが、その話は多くは似たり寄ったりで、事実談として紹介されているものも大抵千遍一律である。 で、私はこれから西洋の文献を探していささか変ったところを紹介しようと思う。   恐ろしい額  ガリチアの... ...
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  • タイトル: 恐ろしき贈物
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要:  一  ニューヨーク市、西第七十街のあるアパートメントに、グレース・ウォーカーという四十前後の女が住んでいた。 おもて向は極めて静かな生活をしていたけれど、警察はかねてから彼女に目をつけていた。 というのは彼女は一口にいえば待合のようなものを営んで、多くの良家の子女... ...
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  • タイトル: 誤った鑑定
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要:  晩秋のある夜、例の如く私が法医学者ブライアン氏を、ブロンクスの氏の邸宅に訪ねると、氏は新刊のある探偵小説雑誌を読んでいた。 「探偵小説家というものは随分ひどい出鱈目を書くものですね」と、氏は私の顔を見るなり、いきなりこういって話しかけた。 「え? 何のことですか?」と私は頗......
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  • タイトル: 歴史的探偵小説の興味
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要:  森下雨村氏から歴史的探偵小説に就て何か書かないかといわれて、はい、よろしいと易受合いをしたものの、さて書こうと思うと何にも書けない。 これが犯罪学に関したことなら、参考書と首っ引きで、相当に御茶を濁すことが出来るが、歴史的探偵小説を研究した参考書などは一冊もなく、ただもう自分の読... ...
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  • タイトル: ポオとルヴェル
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要:  私の一番好きな探偵小説は、短篇ではやはりポオとルヴェルである。 ポオの作品のうち、探偵ヂュパンの出て来る三つの物語は勿論であるが、その外に、 The Black Cat. The Cask of Amontillado. The Fall of the House of U... ...
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  • タイトル: 二重人格者
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要:  一  河村八九郎は今年二十歳の二重人格者である。  第一の人格で彼は大星由良之助となり、第二の人格で高師直となった。  彼がどうしてこのような二重人格者となったかは、はっきりわかっていない。 父が大酒家であるという外、父系にも母系にもこれという精神異常者はな... ...
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  • タイトル: ヂュパンとカリング
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要:  一  オーギュスト・ヂュパンはポオの三つの探偵小説、「モルグ街の殺人」、「マリー・ロージェー事件」、「盗まれた手紙」にあらわれる探偵であって、いわば、探偵小説にあらわれた探偵の元祖である。 もっとも「探偵」なる名称はガボリオーの小説あたりから使用され、ポオはヂュ... (本...
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  • タイトル: 国枝史郎氏の人物と作品
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要:  最初は国枝史郎氏論という題で書こうと思ったけれど、「論」を書くほど自分の頭は論理的に出来ていないから、「人物と作品」と題して見たものの、自分には他人の人物や作品を批評する資格は少しもなく、ただその人物に接して得た私の感じを述べるに過ぎないことをあらかじめ御断りして置く。  始... ...
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  • タイトル: 外務大臣の死
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要:  一 「犯人は芸術家で、探偵は批評家であるという言葉は、皮肉といえば随分皮肉ですけれど、ある場合に、探偵たるものは、芸術批評家であるということを決して忘れてはならぬと思います」と、松島龍造氏は言った。  晩秋のある日、例の如く私が、松島氏の探偵談をきくべく、そ... (本...
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  • タイトル: 「心理試験」序
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要:  江戸川乱歩兄から、こんど創作第一集を出すについて序文を寄せよとの事。 わが探偵小説界の鬼才江戸川兄の創作集に、私が序文を書くなどということは、僭越でもあり恥かしくもあるが、同時にまた、私に序文を書かせてくれる江戸川兄の心が嬉しくてならぬ。 で、とにもかくにも御引受して、さて、筆を取......
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  • タイトル: 錬金詐欺
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要:  詐欺は昔から錬金術の附き物になって居る。 既に錬金術そのものが、金がほしいという動機が主となって企てられたものであるから、詐欺と縁の深いのは当然のことである。 尤も、錬金術の抑もの起りは必ずしも黄金製造のためではなかった。 即ちその濫觴ともいうべきは古代エジプトに於ける金属の染色術に....
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  • タイトル: 名古屋スケッチ
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要:  はしがき 『名古屋、おきやあせ、すかたらん』  誰が言ひだしたか、金の鯱鉾に、先祖代々うらみを持つた人でもあるまいに、まんざら捨てたものでもない名古屋の方言から、『おきやあせ、すかたらん』を選んで、その代表的のものとするなど、まことにすかたらん御仁と申すべきである。  だ... ...
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  • タイトル: 紅色ダイヤ
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要: 謎の手紙  これから皆さんに少年科学探偵塚原俊夫君を紹介します。 俊夫君は今年十二ですけれど、大人も及ばぬ賢い子です。 六歳の時、三角形の内角の和が二直角になるということを自分で発見して、お父さんをびっくりさせました。 尋常一年のとき、 菜の花や股のぞきする土手の児ら  とい....
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  • タイトル: 深夜の電話
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要:  第一回      一  木の茂れば、風当たりの強くなるのは当然のことですが、風当たりが強くなればそれだけ、木にとっては心配が多くなるわけです。  少年科学探偵塚原俊夫君の名がいよいよ高くなるにつれて、俊夫君を妬んだり、俊夫君を恐れたりする者が増え、近頃では、ほ... ...
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  • タイトル: 段梯子の恐怖
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要: 「探偵趣味」第四号の配達された日、私を訪ねた友人Fは、室にはいるなり、 「もう来たかね?」といって、机の上にあった雑誌を、いきなり取り上げて、ページを繰り始めた。 彼はことし三十七歳の独身の弁護士である。 「その十四ページを見給え、編集当番のNさんが、段梯子の恐怖ということを書......
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  • タイトル: 「二銭銅貨」を読む
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要: 「二銭銅貨」の原稿を一読して一唱三嘆――いや、誰も傍にはいなかったから一唱一嘆だったが――早速、「近頃にない面白い探偵小説でした」と森下さんに書き送ったら「それに就ての感想」を書かないかとの、きつい言い付け。 文芸批評と自分の法名ばかりは、臍の緒切ってからまだ書いたことが御座りませ... ...
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  • タイトル: 手術
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要:  ×月×日、私の宅で、「探偵趣味の会」の例会を開きました。 随分暑い晩でしたが、でも、集ったのは男の人が五人、女の人が三人、私を加えて都合九人、薄暗い電燈の光の下で、鯰の血のような色をした西瓜をかじり乍ら、はじめは、犯罪や幽霊に関するとりとめもない話を致しました。 「……それにし......
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  • タイトル: 毒と迷信
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要: 一 原始人類と毒  ダーウインの進化論を、明快なる筆により、通俗的に説明せしことを以て名高い英国の医学者ハツクスレーが、「医術は凡ての科学の乳母だ」といつたのは蓋し至言といはねばなるまい。 何となれば、吾人の祖先即ち原始人類が、この世を征服するために最も必要なりしことは主とし... ...
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  • タイトル: 恋愛曲線
    著者: 小酒井不木
    出版社: ConTenDo
    概要:  親愛なるA君!  君の一代の盛典を祝するために、僕は今、僕の心からなる記念品として、「恋愛曲線」なるものを送ろうとして居る。 かような贈り物は、結婚の際は勿論のこと、その他は如何なる場合に於ても、日本は愚か、支那でも、西洋でも、否、世界開闢以来、未だ曾て何人によっても試みられな... ...
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電子書籍を探すときはタイトルや著者名がわからないと結構探しにくいものです。コンテン堂は『ワードサーフィン』というまったく新しい本探しメソッドを提案しています。思ってもいなかった『本との出会い』をお楽しみ下さい。