木暮理太郎
検索結果10件中1件から10件までを表示
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タイトル: 山と村出版社: ConTenDo概要: アーヴィングの『スケッチブック』を初めて読んだとき、リップ・ヴァン・ウィンクルの話の冒頭に、カツキル連山が季節の移り更りや天候の変る毎に、いや実に一日の中でも刻々に不思議な色やら形やらを変えるので、遠近のおかみさん達から完全な晴雨計と見做されていたということが書いてあるのを見て... ...商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 紙魚こぼれ出版社: ConTenDo概要: 大田蜀山人の『半日閑話』の中に「信州浅間岳下奇談」と題して次の記事が出ている。 九月(文化十二年)頃承りしに、夏頃信州浅間ヶ岳辺にて郷家の百姓井戸を掘りしに、二丈余も深く掘けれども水不出、さん瓦を二三枚掘出しけるゆへ、かゝる深き処に瓦あるべき様なしとて又々掘ければ、屋根を... ...商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 金峰山出版社: ConTenDo概要: 秩父山塊の金峰山は、私の古い山旅の朧げな記憶の中では、比較的はっきりしている方である。 此山の名を知ったのは小学校の何級であったか忘れたが、何でも暗射地図で甲州の北境に栗の毬殻に似た大きな山の符号があって、それが金峰山だと教えられたのが最初である。 お寺を小学校に代用していた田舎の......商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 木曾御岳の話出版社: ConTenDo概要: 今日は懐古の夕だそうですから思いきり古い話をすることにしますが、私の古い山旅はただぶらぶら歩いていたのみで日記さえもつけない、ですから忘れてしまった方が多いのは残念ですが、しかし何といっても、見て面白いし、登って面白いし、読んで面白く、聞いても考えても亦おもしろい山のことですか... ...商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 日本アルプスの五仙境出版社: ConTenDo概要: これから私が茲に述べようとする日本アルプスの仙境というのは、其処に仙人が住んでいたとか、又は現に住んでいるらしいとかいう訳で、仙境と称するのでは勿論ありません。 単に仙人でもいそうな所だというだけであって、景色はすぐれていても、霧を啖い霞を吸って生きて行く術を知らない人間には、た... ...商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 秩父の渓谷美出版社: ConTenDo概要: 五月の秩父 いつも五月、一年中でのよき日である五月になると、私は秩父の山や谷を思い出すことが避け難い一の習慣のようになっている。 恐らく秩父の自然に、私などのよく歩いた時と今とでは、人工的に加えられた変化の大なるものがあるであろう。 私自身も其中の幾つかを見て知っている。 けれ....商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 黒部峡谷出版社: ConTenDo概要: 立山山脈と後立山山脈 地質学者の説に拠ると、今日普通に日本北アルプスの名で広く世に知られている飛騨山脈は、凡南十度西より東十度北即ち南南西から東北東に向って並走して居る数条の連脈から成っているということである。 さもあらばあれ高い山のみを渇仰の標的として、峰から峰へと縦走す... ...商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 尾瀬雑談出版社: ConTenDo概要: 尾瀬の記事は既に書き尽されてあるから、この上の剰筆は真に蛇足であるに過ぎないが、敢て二、三の見聞をここに載せることにした。 尤も雑談に花を咲かせる程の興味あるものでないことは予め御承知を願いたい。 尾瀬沼は『正保図』には「さかひ沼」となっていて、尾瀬とも小瀬とも記してないこと......商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 釜沢行出版社: ConTenDo概要: 都門の春はもう余程深くなった。 満目の新緑も濁ったように色が濃くなって、暗いまでに繁り合いながら、折からの雨に重く垂れている。 其中に独り石榴の花が炎をあげて燃えている火のように赤い。 それが動もすれば幽婉の天地と同化して情熱の高潮に達し易い此頃の人の心を表わしているようだ。 此際頬...商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 皇海山紀行出版社: ConTenDo概要: 降りがちな天候は、十一月に入ってもからりと晴れた日は続かなかった。 ことに土曜から日曜へかけてはよく降った。 この意地悪い雨のために出鼻をくじかれて、出発はもう予定より三週間も遅れてしまった。 これがもし紅葉見物を兼ねての旅であったならば、目的の一半は既に失われた訳であるが、皇海山に....商品価格: ¥0(税込)