徳永直
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タイトル: 眼出版社: ConTenDo概要: 「ね、あんた、今のうち、尾久の家(親類)へでも、行っちゃったがいいと思うんだけど……」 女房のお初が、利平の枕許でしきりと、口説きたてる。 利平が、争議団に頭を割られてから、お初はモウスッカリ、怖気づいてしまっている。 「何を……馬鹿な……逃げ出すなんて、そんな……アッ、ツ、......商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 麦の芽出版社: ConTenDo概要: 一 善ニョムさんは、息子達夫婦が、肥料を馬の背につけて野良へ出ていってしまう間、尻骨の痛い寝床の中で、眼を瞑って我慢していた。 「じゃとっさん、夕方になったら馬ハミ(糧)だけこさいといてくんなさろ、無理しておきたらいかんけんが」 出がけに嫁が、上り框のところか... ...商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 白い道出版社: ConTenDo概要: 一 ―ほこりっぽい、だらだらな坂道がつきるへんに、すりへった木橋がある。 木橋のむこうにかわきあがった白い道路がよこぎっていて、そのまたむこうに、赤煉瓦の塀と鉄の門があった。 鉄の門の内側は広大な熊本煙草専売局工場の構内がみえ、時計台のある中央の建物へつづく砂利道は、... ...商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: こんにゃく売り出版社: ConTenDo概要: 一 私は今年四十二才になる。 ちょうどこの雑誌の読者諸君からみれば、お父さんぐらいの年頃であるが、今から指折り数えると三十年も以前、いまだに忘れることの出来ないなつかしい友達があった。 この話はつくりごとでないから本名で書くが、その少年の名は林茂といった心の温かい少年で... ...商品価格: ¥0(税込)