~日々是挑戦~人生は円相
概要:
~推薦者の言葉~
まったくユニークな自分史が発刊されたものだ。
「人生は円相でえ。仏の里・国東の偉い坊さんから習った言葉や」と筆者から何度か聞いたことがあった。タイトルはその円相だ。筆者を知っている人なら皆、一様に言うだろう。「あんなに人を知っている人はいない」と。事業によっていろんな分野の人たちが筆者の強引な勧誘に引き込まれて、人によっては本業をそっちのけで加勢を余儀なくさせられる。私もこき使われた一人だ。まあそのことはいい。ここで恨みつらみを言ってもしようがない。だって気が付けば、推薦文を書くハメになっているのだから。
筆者は多くの人との出会いを円相と言い、その人たちから「人の道を学んだ」「経営や営業の理屈を教えてもらった」と言う。この言葉はきっと本音で、だからこそ筆者は過酷な労力を必要とする自分史の発行に取り組んだに違いない。
冒頭、ユニークと書いたのは、その学びや教えを丹念にまとめて「帯刀訓」と表記して書いたことを指した。教訓そのものを書いているのではない。書かれていることは決して難しくはない。むしろ平易な文章だ。この「帯刀訓」を通して筆者は、自らの経験、体験を踏まえ、後に続く若い人たちへ大切な仕事の指針を示したのだと解釈できる。ここに筆者の飾らない人間味を見ることができるし、従来の高尚な(?)自分史とは違った特長が読み取れる。
本書の巻頭言で幸重綱二氏(大分交通代表取締役会長)が筆者の魅力に触れ「常に人を大切にし、決して自己のみの利益に走るのではなく、相手の立場も十分に忖度し、その上で成果を挙げるという独特の妙技を持っている」と指摘している。そのように、周りの人を強力に引き込む半面、心配り、気配りは天下一品で、筆者のこうした?本性?が随所にあって、ほっとして慰められる。「筆者に会ってみたいなあ」なんていう気持ちが沸き立つのではなかろうか。
仕事一筋に運輸稼業五十四年を勤めた足跡が、一話完結のようにつづられていく本書は、やっぱりユニークな"人間ドラマ"だ。面白い。汗まみれの息遣いをどうぞご堪能いただきたい。
(元大分合同新聞特別編集委員・可兒敦彦)
- ジャンル:
- 文芸 > エッセイ
- 販売開始:
- 2018/09/20
- ページ数
- 216ページ
- ファイルサイズ:
- 28.22MB
- CODE:
- J0010380BK0100035001
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