認知症新時代の幸福論
概要:
日本では世界でも稀にみるスピードで高齢化が進んでおり、平均寿命が延びたことで、若かりし頃に比べ体力が低下した定年後の期間をあと何十年間かは生き抜いていかなければならなくなった。これからはますます高齢化が進むから、誰もが認知症と向き合う時代、言い換えれば「認知症新時代」がやってくる。
私は診察室で認知症の患者さんを診ることが多いが、この病気のほとんどは数週間とか数か月前からではなく、驚くなかれ、実は既に四十代前半からその歩みが始まっている。四十代というと、仕事や家事、育児に追われ、時には無理をして睡眠を削りながら、身も心も負担の多い時期である。
なんとなく体は思い通りに動くから、「別にいいや」と、現状を乗り切ることばかり考えてしまう人も多いのではないか。「認知症新時代」を迎えるにあたり、ライフスタイルのシフトチェンジを行うのは、この四十歳前後だと私は考えている。
認知症になっても自分らしく生活できるために、社会がどうあるべきかを考えることも必要であるが、その前に私たちがどうあるべきかを考えなければならない。「認知症新時代」を迎えるにあたり、不安を抱きながらも、しっかりとした準備をしておかなければならない。そして、ある程度の心構えができたなら、人生の最期の瞬間を迎えるまで、しなやかに歩むことはできるはずである。
私たちは生きている以上は、今日も明日も生命の灯が尽きるまで歩み続けなければならない。本書は、「認知症新時代」を歩んでいく上での、「認知症医療」に長年たずさわっている著者の「幸福論」である。
著者紹介:
今中 章弘(いまなか あきひろ)
1975年、広島生まれ。広島大学医学部卒業、同大大学院修了。医学博士、精神科医、エッセイスト。専門は臨床精神医学全般で、特に老年精神医学と臨床精神薬理学が得意分野である。うつ病、認知症の診療に精通している。趣味は読書、プロレス観戦、将棋、映画鑑賞、温泉旅行、スポーツ観戦、登山、史跡めぐり、鉄道ローカル線めぐり、家庭菜園など多数あり。著書に、『困難をのりこえる技術-人生を切り開く32の秘訣-』、『続・困難をのりこえる技術-悩みながら人生を生き抜く秘訣-』、『徒然なる心の旅路を楽しむ-人の心を癒す源流を求めて-』、『人間にとって徳とは何か-より善く生きるための9のメッセージ-』、『認知症新時代を幸せに生きる-人生百年時代の心得を学ぶ-』『人生百年時代を生き抜く39の極意』などがある。
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