多様な教職ルートの国際比較 教員不足問題を交えて
- 著者:
- 日本教師教育学会第11期課題研究Ⅲ部(編)、佐藤仁(編著)
- 出版社:
- 学術研究出版
概要:
本書の目的は、諸外国における多様な教職ルートの構造や実態を明らかにし、国際比較分析を通して、世界的な傾向や各国の特質を解明することにある。その上で、日本の教師教育制度・政策を世界的な傾向の中に位置づけ、その特徴を浮かび上がらせていくことを目指す。本書で分析対象とする国は、アメリカ合衆国、イギリス(以下、イングランドおよびウェールズを指す)、ドイツ、ノルウェー、中国、タイ、オーストラリア、そして日本である。
本書のテーマである「多様な教職ルート」とは、教員になるための道・ルートがいくつにも存在している状況を意味している。多様な教職ルートに対しては、いわゆる「脱専門職化(de-professionalization)」として批判されることが多いが、現実として多様な教職ルートが各国に存在することを踏まえれば、それを批判的な眼差しで捉えるだけでなく、多様な教職ルートがあることの意味そのものを考える必要がある。
また、多様な教職ルートが存在する背景の一つには、教員不足という世界的に共通する問題がある。教職ルートを増やすことは、教員不足への対応方策の一つとされるわけだが、多様な教職ルートの存在は教師教育全体のあり方を問い直すものとなる。その意味で、各国において多様な教職ルートが存在することが、教員不足という量的側面への対応方策にとどまらず、教師教育が抱えている問題を炙り出す可能性を有すると考える。
以上を踏まえて、本書では、多様な教職ルートの存在を単に批判的に分析するのではなく、各国の制度的構造や実態を精緻に解明していく。特に、各国のコンテクスト(歴史的展開や政治経済、社会文化風土等)との関係性を踏まえながら、多様な教職ルートが存在する意味を探っていく。その上で、国際比較分析を通して、各国の共通点と相違点を明らかにする。
著者紹介:
佐藤仁(福岡大学人文学部・教授)、小野瀬善行(宇都宮大学・准教授)、植田みどり(国立教育政策研究所・総括研究官)、張揚(北海道大学・講師)、伊井義人(大阪公立大学・教授)、中田麗子(信州大学・研究員、ウプサラ大学・客員研究員)、矢田匠(フィンランド国立教育研究所・ポスドク研究員、兵庫教育大学・客員准教授)、牧貴愛(広島大学国際教育開発プログラム・准教授)、辻野けんま(大阪公立大学・准教授)、田中光晴(文部科学省総合教育政策局・専門職)、山下達也(明治大学文学部・教授)、原北祥悟(崇城大学・助教)、北田佳子(埼玉大学・教授)、矢野博之(大妻女子大学・教授)
- ジャンル:
- 教育 > 教育問題
- 販売開始:
- 2024/04/04
- ページ数
- 220ページ
- ファイルサイズ:
- 3.83MB
- CODE:
- J0010380BK0152290001
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