タイタス・アンドロニカス 七五調訳シェイクスピアシリーズ〈13〉
概要:
『タイタス・アンドロニカス』は、1588年~1593年あたりに書かれた最初の悲劇で、残酷な復讐劇である。この作品はローマの歴史劇の設定であるが、フィクションである。残酷趣味のタイタス皇帝が、奴隷らをライオンのいるアリーナに投げ込んで殺されるのを見て楽しんでいたが、ある日アンドロニカスという奴隷を投げ込んだら、ライオンが平伏した。皇帝が理由を問い質すと、ライオンの足に棘(とげ)が刺さっているのを抜いてやったことがあるとのことだった。それが題名になった。この作品には「わけもなく簡単に人を殺し、死体を洞窟に投げ捨て、その妻を自らの性欲を満たすために、兄弟二人で凌辱し、自分たちの罪を告げる手段を失くすために、その両手を切断し、舌を切り取る」話がある。人としてあるまじき行為である。天罰が下るのか。報復行為があるのか。正義とは何かを考えさせられる作品である。シリーズの「13」番目の表紙の色は黒くした。
著者紹介:
今西 薫(いまにし かおる)
1949年京都市生まれ。関西学院大学法学部卒業、同志社大学英文学部前期博士課程修了(修士)、イギリス・アイルランド演劇専攻。元京都学園大学教授。著書に『21世紀に向かう英国演劇』(エスト出版)、
『The Irish Dramatic Movement: The Early Stages』(山口書店)、『New Haiku: Fusion of Poetry』(風詠社)、『Short Stories for Children by Mimei Ogawa』(山口書店)、『The Rocking-Horse Winner & Monkey Nuts』(あぽろん社)、『The Secret of Jack’s Success』(エスト出版)、『The Importance of Being Earnest』〔Retold版〕(中央図書)、『イギリスを旅する35章(共著)』(明石書店)、『表象と生のはざまで(共著)』(南雲堂)、『詩集 流れゆく雲に想いを描いて』(風詠社)、『フランダースの犬・ニュルンベルクのストーブ』(ブックウェイ)、『心をつなぐ童話集』(風詠社)、『恐ろしくおもしろい物語集』(風詠社)、『小川未明&今西薫童話集』(ブックウェイ)、『なぞなぞ童話・エッセイ集(心優しき人への贈物)』(ブックウェイ)、『この世に生きて 静枝ものがたり』(ブックウェイ)、『フュージョン・詩 & 俳句集 ─訣れのPoetry─ 』(ブックウェイ)、『アイルランド紀行 ―ずっこけ見聞録―』(ブックウェイ)、『果てしない海 ―旅の終焉─』(ブックウェイ)、『J. M.シング戯曲集 The Collected Plays of J. M. Synge(in Japanese)』(ブックウェイ)、『社会に物申す』純晶也[筆名](風詠社)、『徒然なるままに ─老人の老人による老人のための随筆─』(ブックウェイ)、『「かもめ」&「ワーニャ伯父さん」─現代語訳チェーホフ四大劇Ⅰ─』(ブックウェイ)、『Newマジメが肝心 ―オスカー・ワイルド日本語訳─』(ブックウェイ)、『ヴェニスの商人』七五調訳シェイクスピア〈1〉(ブックウェイ)、『ちっちゃな詩集 ☆魔法の言葉☆』(風詠社)、七五調訳シェイクスピアシリーズ〈2~10〉『マクベス』『リア王』『テンペスト』『ハムレット』『ジュリアス・シーザー』『オセロ ─ヴェニスのムーア人─』『間違いの喜劇』『十二夜』『(真)夏の夜の夢』(風詠社)、『桜の園』四幕の喜劇 ─現代語訳チェーホフ四大劇Ⅱ─(風詠社)、『シェイクスピア New四大悲劇 ─マクベス/リア王/ハムレット/オセロ─』(風詠社)、『ロミオ&ジュリエット』七五調訳シェイクスピアシリーズ〈11〉(風詠社)、『お気に召すまま』七五調訳シェイクスピアシリーズ〈12〉(風詠社)がある。
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