現代鍼灸にもの申す 澤田健の診断法 改訂・ひえぬき療法
概要:
鍼灸の名人澤田健はたった1分から2分で虚実を診断して優れた実績を上げたと云われている。本書はその診断法について考察したものである。従って、本書は一般の方向けに述べたものではなく、鍼灸師、漢方湯液家、もしくは手技療法家で、臨床現場の様々な東洋医学的課題に直面している方々のために、診断法について、一つの考察を提供し、臨床の選択肢を増やし、治療時間の短縮を図り、臨床の場で便利で重宝であることを目的としている。
本書の内容は鍼灸の常識と言われる事柄や定説に反している部分がある。もし、あなたが鍼灸師養成学校の学生であるならこの本を読むと、国家試験に不合格となる可能性があるので、今は読まずに合格してから読んで頂くことを希望する。
筆者は長年武術修業と並行して澤田流鍼灸を研究し、臨床で検証してきた。感覚を重視して行ってきて、「気」、「陰陽」、「経絡」、「虚実」などの基本的事項の解釈について一般鍼灸と異なる見解を持つようになった。さらに澤田流には現在までに解決できない「謎」があり、これを解くための努力をしてきた。人体の三陰三陽の経絡支配について今まで科学的に判明していることと、筆者の体験を通して理解したことを整理し、帰納的に考察したものである。この古今東西に独創的な方法は、経絡を3つの大分類に分け、それぞれに虚実のバランスを図る力が働いていて、この力の作用を診断し、臨床に応用していることが判った。
筆者としては、この理論と臨床については、既成概念にこだわりがない、若い前途洋々である医師や鍼灸師、手技療法を志す方々に積極的に検証して頂き、宜しければ是非日々の臨床に適用してみて頂きたい。世の中の病に苦しみ、悩む方々が少しでも快適になるよう願っている。
著者紹介:
横山 一豊(よこやま かずとよ)
〇学歴資格
1950年山梨県生まれ。
1968年山梨県立日川高校卒
1973年三重大学農学部卒
1992年姿勢保健均整専門学校昼間部卒
2017年登録販売者合格、東京都登録
2018年中野健康医療専門学校スポーツ鍼灸科卒、同年はり師、きゅう師国試合格
2021年明治国際医療大学大学院修了。鍼灸学修士。
〇職歴
1973年山梨県庁一般行政職上級採用。
1991年同依願退職
1991年手技療法「横山均整院」開業。
1995年「ひえぬき療法」の普及活動始める。
2018年山梨にて「よこ山鍼灸院」開業。手技療法と鍼灸術の両立を図る。
2022年京都にて「澤田流ブリス鍼灸塾」開講。「よこ山鍼灸院」開業。山梨と京都との2拠点での活動となる。
〇賞
1992年山梨県体育功労者賞
2003年山梨県八代町名誉町民賞
2020年日本伝統鍼灸学会奨励賞
〇出版・論文
2005年『アレルギー、膠原病は冷え抜きで治る』現代書林刊
2011年『和漢三才図絵・経絡肢体の部』たにぐち書店刊
2020年:横山一豊,和辻直「澤田流鍼灸「裏四霊」の取穴位置についての考察―澤田流鍼灸の遺産を現代鍼灸で活用するためにー」2020.48(3):242-261.(膏肓穴2穴、裏期門穴2穴を合わせて「裏四霊」という)
〇学会
日本伝統鍼灸学会会員、日本良導絡自律神経学会会員
〇その他
大学入学時に少林寺拳法に入門し、以来自己修業と後進の指導。34年間山梨八代道院長、正範士七段、
第3代山梨県少林寺拳法連盟理事長、三重大学少林寺拳法部OB会顧問。古武術研究。
販売(無期限): ¥ 1,430(税込)