リハビリテーション的障害論―そもそも障害ってなんだ
概要:
「障害」をいわゆるただのインペアメントと捉える専門職はもはやいないであろう。しかし、ともすれば機械的に関連づけて、その軽減のための技術の修練に専心する真面目なセラピストも少なくない。本書は「障害」そのような物理的法則に規定される物でなく、意思と感情と知性をもった人間特有の物であり、この問題に取り組むことは人間存在そのものの本質的考察と、決して切り離すことができないものだとして、その本質的側面について考察している。例えば「障害」をつくっているのは、社会であり、環境であり、技術であると。その他、比較の対象とされることあるいは告げるものとしての他者の存在、さらには「障害」の構造と関連づけて「障害」の外在性、内在性、全体性という面に言及している。
しかし、襟を正して読まなければ理解出来ないのではないかと思うとそうではない。さすがセラピストとしての豊富な実践経験のせいか。この資料が膨大なのだが当事者の方の実例や書物を例に挙げ、リハビリテーションとは何か、そもそも専門職はどうかかわるべきかを提言しており、さらに日本のリハビリテーション、障害の構造論の大家、元東大教授上田敏氏との対談が、コラム風に3箇所に散りばめられており、医師とセラピストの本音での語り合いは、読者のこれまでリハビリテーションの考え方なかにあったモヤモヤが吹っ切らせてくれるものと思う。
帯には「障害」は生かすことができる。そこから人間について学ぶことができる。そのようなことが私の心の奥底で鳴り響いている」と言葉に引かれて手に取りたくなるが、たしかに冒頭の「母片足喪失の記」「ボディサイレント」「母よ殺すな」「筋ジストロフィー症の女性の出産」「顔にあざのある女性たち」「スティルライブズ」「アルビノを生きる」など、当事者への共感に満ちたエピソードを豊富に織り交ぜ持論を展開している。
また途中3箇所にわたってコラム風にリハビリテーション医学の先駆者元東大教授上田敏氏との対談が、問題の整理にとても役立ちます。人生の大半をこの問題にかけてこられた先人たちの言葉は、奥深く、次の世代にも受け継がれるべきこと、これが人間の英知ではないでしょうか。 (閉じる)
目次:
まえがき
はじめに
第一章 「障害」を考える糸口
一 「障害」という言葉の意味の拡がり
二 「障害」と環境・技術 (もっと読む)
- ジャンル:
- リハビリテーション > 介護
- 販売開始:
- 2020/02/18
- ファイルサイズ:
- 4.86MB
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- J0010424BK0093334001
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