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宮沢賢治

検索結果240件中181件から225件までを表示
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  • タイトル: 山男の四月
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要:  山男は、金いろの眼を皿のようにし、せなかをかがめて、にしね山のひのき林のなかを、兎をねらってあるいていました。  ところが、兎はとれないで、山鳥がとれたのです。  それは山鳥が、びっくりして飛びあがるとこへ、山男が両手をちぢめて、鉄砲だまのようにからだを投げつけたものですか......
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  • タイトル: 水仙月の四日
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要:  雪婆んごは、遠くへ出かけて居りました。  猫のような耳をもち、ぼやぼやした灰いろの髪をした雪婆んごは、西の山脈の、ちぢれたぎらぎらの雲を越えて、遠くへでかけていたのです。  ひとりの子供が、赤い毛布にくるまって、しきりにカリメラのことを考えながら、大きな象の頭のかたちをした......
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  • タイトル: 月夜のでんしんばしら
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要:  ある晩、恭一はぞうりをはいて、すたすた鉄道線路の横の平らなところをあるいて居りました。  たしかにこれは罰金です。 おまけにもし汽車がきて、窓から長い棒などが出ていたら、一ぺんになぐり殺されてしまったでしょう。  ところがその晩は、線路見まわりの工夫もこず、窓から棒の出た汽車....
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  • タイトル: 烏の北斗七星
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要:  つめたいいじの悪い雲が、地べたにすれすれに垂れましたので、野はらは雪のあかりだか、日のあかりだか判らないようになりました。  烏の義勇艦隊は、その雲に圧しつけられて、しかたなくちょっとの間、亜鉛の板をひろげたような雪の田圃のうえに横にならんで仮泊ということをやりました。  ......
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  • タイトル: 狼森と笊森、盗森
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要:  小岩井農場の北に、黒い松の森が四つあります。 いちばん南が狼森で、その次が笊森、次は黒坂森、北のはずれは盗森です。  この森がいつごろどうしてできたのか、どうしてこんな奇体な名前がついたのか、それをいちばんはじめから、すっかり知っているものは、おれ一人だと黒坂森のまんなかの巨き......
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  • タイトル: どんぐりと山猫
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要:  おかしなはがきが、ある土曜日の夕がた、一郎のうちにきました。 かねた一郎さま 九月十九日 あなたは、ごきげんよろしいほで、けっこです。 あした、めんどなさいばんしますから、おいで んなさい。 とびどぐもたないでくなさい。                 山ねこ 拝...
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  • タイトル: 『注文の多い料理店』序
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要:  わたしたちは、氷砂糖をほしいくらいもたないでも、きれいにすきとおった風をたべ、桃いろのうつくしい朝の日光をのむことができます。  またわたくしは、はたけや森の中で、ひどいぼろぼろのきものが、いちばんすばらしいびろうどや羅紗や、宝石いりのきものに、かわっているのをたびたび見まし... ...
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 『注文の多い料理店』序
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要:  わたしたちは、氷砂糖をほしいくらゐもたないでも、きれいにすきとほつた風をたべ、桃いろのうつくしい朝の日光をのむことができます。  またわたくしは、はたけや森の中で、ひどいぼろぼろのきものが、いちばんすばらしいびろうどや羅紗や、宝石いりのきものに、かはつてゐるのをたびたび見まし... ...
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: 朝に就ての童話的構図
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要:  苔いちめんに、霧がぽしやぽしや降つて、蟻の歩哨は、鉄の帽子のひさしの下から、するどいひとみであたりをにらみ、青く大きな羊歯の森の前をあちこち行つたり来たりしてゐます。  向ふからぷるぷるぷるぷる一ぴきの蟻の兵隊が走つて来ます。 「停まれ、誰かツ」 「第百二十八聯隊の伝令!......
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  • タイトル: 家長制度
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要:  火皿は油煙をふりみだし、炉の向ふにはここの主人が、大黒柱を二きれみじかく切って投げたといふふうにどっしりがたりと膝をそろへて座ってゐる。  その息子らがさっき音なく外の闇から帰ってきた。 肩はばひろくけらを着て、汗ですっかり寒天みたいに黒びかりする四匹か五匹の巨きな馬をがらんと......
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  • タイトル: ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要:    一、ペンネンネンネンネン・ネネムの独立  〔冒頭原稿数枚焼失〕のでした。 実際、東のそらは、お「キレ」さまの出る前に、琥珀色のビールで一杯になるのでした。 ところが、そのまま夏になりましたが、ばけものたちはみんな騒ぎはじめました。  そのわけ〔十七字不明〕ばけもの麦も一....
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  • タイトル: 図書館幻想
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要:  おれはやっとのことで十階の床をふんで汗を拭った。  そこの天井は途方もなく高かった。 全體その天井や壁が灰色の陰影だけで出來てゐるのか、つめたい漆喰で固めあげられてゐるのかわからなかった。 (さうだ。 この巨きな室にダルゲが居るんだ。 今度こそ會へるんだ。)とおれは考へて一...
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  • タイトル: うろこ雲
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要:  そらいちめんに青白いうろこ雲が浮かび月はその一切れに入って鈍い虹を掲げる。  町の曲り角の屋敷にある木は脊高の梨の木で高くその柔らかな葉を動かしてゐるのだ。  雲のきれ間にせはしく青くまたたくやつはそれも何だかわからない。  今夜はほんたうにどうしたかな。 八時頃からどこ...
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  • タイトル: 氷と後光
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要: 「ええ。」  雪と月あかりの中を、汽車はいっしんに走ってゐました。  赤い天鵞絨の頭巾をかぶったちひさな子が、毛布につつまれて窓の下の飴色の壁に上手にたてかけられ、まるで寢床に居るやうに、足をこっちにのばしてすやすやと睡ってゐます。  窓のガラスはすきとほり、外はがらんとし......
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  • タイトル: 龍と詩人
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要:  龍のチャーナタは洞のなかへさして來る上げ潮からからだをうねり出した。  洞の隙間から朝日がきらきら射して來て水底の岩の凹凸をはっきり陰影で浮き出させ、またその岩につくたくさんの赤や白の動物を寫し出した。  チャーナタはうっとりその青くすこし朧ろな水を見た。 それから洞のすきま....
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  • タイトル: ラジュウムの雁
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要: ラジュウムの雁 宮澤賢治 青ざめた薄明穹の水底に少しばかりの星がまたたき出し、胡桃や桑の木は薄くらがりにそっと手をあげごく曖昧に祈ってゐる。 杜の杉にはふくろふの滑らかさ、昆布の黒びかり、しづかにしづかに溶け込んで行く。 どうだ。 空一杯の星。 けれども西にはまだた...
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  • タイトル: 蜘蛛となめくじと狸
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要:  蜘蛛と、銀色のなめくじとそれから顔を洗ったことのない狸とはみんな立派な選手でした。  けれども一体何の選手だったのか私はよく知りません。  山猫が申しましたが三人はそれはそれは実に本気の競争をしていたのだそうです。  一体何の競争をしていたのか、私は三人がならんでかける所....
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  • タイトル: フランドン農学校の豚
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要: 〔冒頭原稿一枚?なし〕 以外の物質は、みなすべて、よくこれを摂取して、脂肪若くは蛋白質となし、その体内に蓄積す。」とこう書いてあったから、農学校の畜産の、助手や又小使などは金石でないものならばどんなものでも片っ端から、持って来てほうり出したのだ。  尤もこれは豚の方では、それ... ...
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  • タイトル: タネリはたしかにいちにち噛んでいたようだった
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要:  ホロタイタネリは、小屋の出口で、でまかせのうたをうたいながら、何か細かくむしったものを、ばたばたばたばた、棒で叩いて居りました。 「山のうえから、青い藤蔓とってきた   …西風ゴスケに北風カスケ…  崖のうえから、赤い藤蔓とってきた   …西風ゴスケに北風カスケ…  ... ...
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  • タイトル: 床屋
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要:       本郷区菊坂町           ※ 九時過ぎたので、床屋の弟子の微かな疲れと睡気とがふっと青白く鏡にかゝり、室は何だかがらんとしてゐる。 「俺は小さい時分何でも馬のバリカンで刈られたことがあるな。」 「えゝ、ございませう。 あのバリカンは今でも中国の方......
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  • タイトル: 電車
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要: 第一双の眼の所有者 (むしゃくしゃした若い古物商。 紋付と黄の風呂敷) 第二双の眼の所有者 (大学生。 制服制帽。 大きなめがね。 灰色ヅックの提鞄) 第一双の眼(いや、いらっしゃい、今日は。 よいお天気でございます。) 第二双の眼(何を哂ってやがるんだ。) (失礼いたし...
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  • タイトル: 花椰菜
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要:  うすい鼠がかった光がそこらいちめんほのかにこめてゐた。  そこはカムチャッカの横の方の地図で見ると山脈の褐色のケバが明るくつらなってゐるあたりらしかったが実際はそんな山も見えず却ってでこぼこの野原のやうに思はれた。  とにかく私は粗末な白木の小屋の入口に座ってゐた。  そ....
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  • タイトル: 文語詩稿 一百篇
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要:     目次 母 岩手公園 選挙 崖下の床屋 祭日〔一〕 保線工手 〔南風の頬に酸くして〕 種山ヶ原 ポランの広場 巡業隊 夜 医院 〔沃度ノニホヒフルヒ来ス〕 〔みちべの苔にまどろめば〕 〔二山の瓜を運びて〕 〔けむりは時に丘丘の〕 〔遠く... ...
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  • タイトル: 林の底
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要: 「わたしらの先祖やなんか、  鳥がはじめて、天から降って来たときは、  どいつもこいつも、みないち様に白でした。」 「黄金の鎌」が西のそらにかゝつて、風もないしづかな晩に、一ぴきのとしよりの梟が、林の中の低い松の枝から、斯う私に話しかけました。  ところが私は梟などを、あ... ...
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  • タイトル: 土神と狐
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要:      (一)  一本木の野原の、北のはづれに、少し小高く盛りあがった所がありました。 いのころぐさがいっぱいに生え、そのまん中には一本の奇麗な女の樺の木がありました。  それはそんなに大きくはありませんでしたが幹はてかてか黒く光り、枝は美しく伸びて、五月には白き雲をつけ......
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  • タイトル: 毒蛾
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要:  私は今日のひるすぎ、イーハトブ地方への出張から帰ったばかりです。 私は文部局の巡回視学官ですから、どうしても始終出張ばかりしてゐます。 私が行くと、どこの学校でも、先生も生徒も、大へん緊張します。  さて、今度のイーハトブの旅行中で、私は大へんめづらしいものを見ました。 新聞にも...
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  • タイトル: いてふの実
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要:  そらのてっぺんなんか冷たくて冷たくてまるでカチカチの灼きをかけた鋼です。  そして星が一杯です。 けれども東の空はもう優しい桔梗の花びらのやうにあやしい底光りをはじめました。  その明け方の空の下、ひるの鳥でも行かない高い所を鋭い霜のかけらが風に流されてサラサラサラサラ南の方....
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  • タイトル: 月夜のけだもの
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要:  十日の月が西の煉瓦塀にかくれるまで、もう一時間しかありませんでした。  その青じろい月の明りを浴びて、獅子は檻のなかをのそのそあるいて居りましたが、ほかのけだものどもは、頭をまげて前あしにのせたり、横にごろっとねころんだりしづかに睡ってゐました。 夜中まで檻の中をうろうろうろう......
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  • タイトル: 畑のへり
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要:  麻が刈られましたので、畑のへりに一列に植ゑられてゐたたうもろこしは、大へん立派に目立ってきました。  小さな虻だのべっ甲いろのすきとほった羽虫だのみんなかはるがはる来て挨拶して行くのでした。  たうもろこしには、もう頂上にひらひらした穂が立ち、大きな縮れた葉のつけねには尖っ......
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  • タイトル: 洞熊学校を卒業した三人
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要:           ※  赤い手の長い蜘蛛と、銀いろのなめくぢと、顔を洗ったことのない狸が、いっしょに洞熊学校にはひりました。 洞熊先生の教へることは三つでした。  一年生のときは、うさぎと亀のかけくらのことで、も一つは大きいものがいちばん立派だといふことでした。 それから三人は....
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  • タイトル:
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要:  ハーシュは籠を頭に載っけて午前中町かどに立ってゐましたがどう云ふわけか一つも仕事がありませんでした。 呆れて籠をおろして腰をかけ弁当をたべはじめましたら一人の赤髯の男がせはしさうにやって来ました。 「おい、大急ぎだ。 兵営の普請に足りなくなったからテレピン油を工場から買って来て呉....
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  • タイトル: 黒ぶだう
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要:  仔牛が厭きて頭をぶらぶら振ってゐましたら向ふの丘の上を通りかかった赤狐が風のやうに走って来ました。 「おい、散歩に出ようぢゃないか。 僕がこの柵を持ちあげてゐるから早くくぐっておしまひ。」  仔牛は云はれた通りまづ前肢を折って生え出したばかりの角を大事にくぐしそれから後肢をち......
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  • タイトル: チュウリップの幻術
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要:  この農園のすもものかきねはいっぱいに青じろい花をつけています。  雲は光って立派な玉髄の置物です。 四方の空を繞ります。  すもものかきねのはずれから一人の洋傘直しが荷物をしょって、この月光をちりばめた緑の障壁に沿ってやって来ます。  てくてくあるいてくるその黒い細い脚は...
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  • タイトル: 茨海小学校
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要:  私が茨海の野原に行ったのは、火山弾の手頃な標本を採るためと、それから、あそこに野生の浜茄が生えているという噂を、確めるためとでした。 浜茄はご承知のとおり、海岸に生える植物です。 それが、あんな、海から三十里もある山脈を隔てた野原などに生えるのは、おかしいとみんな云うのです。 ある人....
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  • タイトル: 鳥をとるやなぎ
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要: 「煙山にエレッキのやなぎの木があるよ。」  藤原慶次郎がだしぬけに私に云いました。 私たちがみんな教室に入って、机に座り、先生はまだ教員室に寄っている間でした。 尋常四年の二学期のはじめ頃だったと思います。 「エレキの楊の木?」と私が尋ね返そうとしましたとき、慶次郎はあんまり短く....
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  • タイトル: 凾館港春夜光景
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要: 地球照ある七日の月が、 海峡の西にかかって、 岬の黒い山々が 雲をかぶってたゞずめば、 そのうら寒い螺鈿の雲も、 またおぞましく呼吸する そこに喜歌劇オルフィウス風の、 赤い酒精を照明し、 妖蠱奇怪な虹の汁をそゝいで、 春と夏とを交雑し 水と陸との市場をつくる... ...
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  • タイトル: ありときのこ
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要:  苔いちめんに、霧がぽしゃぽしゃ降って、蟻の歩哨は鉄の帽子のひさしの下から、するどいひとみであたりをにらみ、青く大きな羊歯の森の前をあちこち行ったり来たりしています。  向こうからぷるぷるぷるぷる一ぴきの蟻の兵隊が走って来ます。 「停まれ、誰かッ」 「第百二十八聯隊の伝令!......
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  • タイトル: ざしき童子のはなし
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要:  ぼくらの方の、ざしき童子のはなしです。  あかるいひるま、みんなが山へはたらきに出て、こどもがふたり、庭であそんでおりました。 大きな家にだれもおりませんでしたから、そこらはしんとしています。  ところが家の、どこかのざしきで、ざわっざわっと箒の音がしたのです。  ふ...
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  • タイトル: シグナルとシグナレス
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要: 「ガタンコガタンコ、シュウフッフッ、   さそりの赤眼が 見えたころ、   四時から今朝も やって来た。   遠野の盆地は まっくらで、   つめたい水の 声ばかり。  ガタンコガタンコ、シュウフッフッ、   凍えた砂利に 湯げを吐き、   火花を闇に まきながら、......
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  • タイトル: ビジテリアン大祭
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要:  私は昨年九月四日、ニュウファウンドランド島の小さな山村、ヒルテイで行われた、ビジテリアン大祭に、日本の信者一同を代表して列席して参りました。  全体、私たちビジテリアンというのは、ご存知の方も多いでしょうが、実は動物質のものを食べないという考のものの団結でありまして、日本では... ...
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  • タイトル: 農民芸術概論綱要
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要: 序論 ……われらはいっしょにこれから何を論ずるか…… おれたちはみな農民である ずゐぶん忙がしく仕事もつらい もっと明るく生き生きと生活をする道を見付けたい われらの古い師父たちの中にはさういふ人も応々あった 近代科学の実証と求道者たちの実験とわれらの直観の一致... ...
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  • タイトル: ツェねずみ
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要:  ある古い家の、まっくらな天井裏に、「ツェ」という名まえのねずみがすんでいました。  ある日ツェねずみは、きょろきょろ四方を見まわしながら、床下街道を歩いていますと、向こうからいたちが、何かいいものをたくさんもって、風のように走って参りました。 そしてツェねずみを見て、ちょっとた......
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  • タイトル: 鳥箱先生とフウねずみ
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要:  あるうちに一つの鳥かごがありました。  鳥かごと云ふよりは、鳥箱といふ方が、よくわかるかもしれません。 それは、天井と、底と、三方の壁とが、無暗に厚い板でできてゐて、正面丈けが、針がねの網でこさへた戸になってゐました。  そして小さなガラスの窓が横の方についてゐました。 ある...
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: クねずみ
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要:  クという名前のねずみがありました。 たいへん高慢でそれにそねみ深くって、自分をねずみの仲間の一番の学者と思っていました。 ほかのねずみが何か生意気なことを言うとエヘンエヘンと言うのが癖でした。  クねずみのうちへ、ある日、友だちのタねずみがやって来ました。  さてタねずみはク...
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  • タイトル: 北守将軍と三人兄弟の医者
    著者: 宮沢賢治
    出版社: ConTenDo
    概要:       一、三人兄弟の医者  むかしラユーといふ首都に、兄弟三人の医者がゐた。 いちばん上のリンパーは、普通の人の医者だつた。 その弟のリンプーは、馬や羊の医者だつた。 いちばん末のリンポーは、草だの木だのの医者だつた。 そして兄弟三人は、町のいちばん南にあたる、黄いろな崖の...
    商品価格: ¥0(税込)
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