広津柳浪
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タイトル: 今戸心中出版社: ConTenDo概要: 一 太空は一片の雲も宿めないが黒味渡ッて、二十四日の月はまだ上らず、霊あるがごとき星のきらめきは、仰げば身も冽るほどである。 不夜城を誇り顔の電気燈にも、霜枯れ三月の淋しさは免れず、大門から水道尻まで、茶屋の二階に甲走ッた声のさざめきも聞えぬ。 明後日が初酉の... ...商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 昇降場出版社: ConTenDo概要: 上 仙台の師団に居らしッた西田若子さんの御兄いさんが、今度戦地へ行らッしゃるので、新宿の停車場を御通過りなさるから、私も若子さんと御同伴に御見送に行って見ました。 寒い寒い朝、耳朶が千断れそうで、靴の裏が路上に凍着くのでした。 此寒い寒い朝だのに、停車場はもう一杯の人で......商品価格: ¥0(税込)