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竹久夢二

検索結果20件中1件から20件までを表示
  • タイトル: 日輪草 日輪草は何故枯れたか
    著者: 竹久夢二
    出版社: ConTenDo
    概要:  三宅坂の水揚ポンプのわきに、一本の日輪草が咲いていました。 「こんな所に日輪草が咲くとは、不思議じゃあありませんか」  そこを通る人達は、寺内将軍の銅像には気がつかない人でさえ、きっとこの花を見つけて、そう言合いました。  熊吉という水撒人夫がありました。 お役所の紋のつい....
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  • タイトル: 少年・春
    著者: 竹久夢二
    出版社: ConTenDo
    概要: 1 「い」とあなたがいうと 「それから」と母様は仰言った。 「ろ」 「それから」 「は」 あなたは母様の膝に抱っこされて居た。 そとでは凩が恐しく吼え狂うので、地上のありとあらゆる草も木も悲しげに泣き叫んでいる。 その時あなたは慄えながら、母様の頸へしっ... (本...
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  • タイトル: 誰が・何時・何処で・何をした
    著者: 竹久夢二
    出版社: ConTenDo
    概要: 二人の小さな中学生が、お茶の水橋の欄干にもたれて、じっと水を見ていました。 「君、この水はどこへ往くんだろうね」 「海さ」 「そりゃ知ってるよ。 だけど何川の支流とか、上流とか言うじゃないか」 「これは、神田川にして、隅田川に合して海に入るさ。」 「そう言えば、今頃は地... ...
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  • タイトル: はしがき
    著者: 竹久夢二
    出版社: ConTenDo
    概要:  少年達のため挿絵をかきながら、物語の方も自分でかいて見ようと思立って、その頃まだ私の手許から小学校へ通っていた子供をめやすにかいたのが巻頭の数篇です。 中学へ通うようになった時、「誰がいつどこで何をした?」をかいて見せました。 これはフィリップがお手本になったのですが、「都の眼」の......
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  • タイトル:
    著者: 竹久夢二
    出版社: ConTenDo
    概要:  日が暮れて子供達が寝床へゆく時間になったのに、幹子は寝るのがいやだと言って、お母様を困らせました。 「さあ、みっちゃんお寝みなさいな。 雛鳥ももうみんな寝んねしましたよ」  お母様は、幹子に寝間着を着せながら仰言いました。 「みっちゃんが夕御飯たべてる時に、親鳥が コ コ ....
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  • タイトル: 街の子
    著者: 竹久夢二
    出版社: ConTenDo
    概要:  それは、土曜日の晩でした。  春太郎は風呂屋から飛んで帰りました。 春太郎が、湯から上って着物をきていると、そこの壁の上にジャッキイ・クウガンが、ヴァイオリンを持って、街を歩いている絵をかいた、大きなポスターが、そこにかかっているのです。                十....
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  • タイトル: 博多人形
    著者: 竹久夢二
    出版社: ConTenDo
    概要:  お磯は、可愛い博多人形を持っていました。 その人形は、黒い眼と薔薇色の頬を持った、それはそれは可愛らしい人形でありましたから、お磯はどの人形よりも可愛がっていました。 どこへゆく時にも傍をはなしませんでした。 夜寝る時でさえ、そっと傍へ寝かしてやるほどでした。  ある日お磯は、牧...
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  • タイトル: 人形物語
    著者: 竹久夢二
    出版社: ConTenDo
    概要:    1  あるちいさな女の児と、大きな人形とが、ある日お花さんのおうちをたずねました。  ところが その女の児は、それはもうほんとに、ちいさな女の児で、その人形はまた、それはそれはすばらしい大きな人形だったのです。  それゆえ、お取次に出た女中には、人形だけしか眼に入......
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  • タイトル:
    著者: 竹久夢二
    出版社: ConTenDo
    概要:  ある春の朝でした。  太陽は、いま薔薇色の雲をわけて、小山のうえを越える所でした。 小さい子供は、白い小さい床の中で、まだ眠って居りました。 「お起き、お起き」柱に掛った角時計が言いました。 「お起き、お起き」そう言ったけれど、よく眠った太郎は何も聞きませんでした。 「私が...
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  • タイトル: おさなき灯台守
    著者: 竹久夢二
    出版社: ConTenDo
    概要:  この物語はさほど遠い昔のことでは無い。  北の海に添うたある岬に燈台があった。 北海の常として秋口から春先へかけて、海は怒ったように暴狂い、波の静かな日は一日も無かった。 とりわけこの岬のあたりは、暗礁の多いのと、潮流の急なのとで、海は湧立ちかえり、狂瀾怒濤がいまにも燈台を覆えす....
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  • タイトル: 最初の悲哀
    著者: 竹久夢二
    出版社: ConTenDo
    概要:  街子の父親は、貧しい町絵師でありました。 五月幟の下絵や、稲荷様の行燈や、ビラ絵を描いて、生活をしているのでありました。 しかし、街子はたいそう幸福でした。 というのは、父親は街子を、このうえもなく愛していたし、街子もまた父親を世の中で一番えらくて好い人だと思っていました。 母親が早...
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  • タイトル:
    著者: 竹久夢二
    出版社: ConTenDo
    概要:  風が、山の方から吹いて来ました。 学校の先生がお通りになると、街で遊んでいた生徒達が、みんなお辞儀をするように、風が通ると、林に立っている若い梢も、野の草も、みんなお辞儀をするのでした。  風は、街の方へも吹いて来ました。 それはたいそう面白そうでした。 教会の十字塔を吹いたり、...
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  • タイトル: 大きな手
    著者: 竹久夢二
    出版社: ConTenDo
    概要: ある郊外、少女Aと少女Bの対話 A まあ、あなたの手は綺麗なお手ねえ。 白くって、細くって、そしてまあこの柔かいこと。 マリア様のお手のようだわ。 B そうでしょうか? A あら、あなたはそうは思わなくって? これが美しくなかったら何を美しいって言えば好いでしょう。 B...
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  • タイトル: 大きな蝙蝠傘
    著者: 竹久夢二
    出版社: ConTenDo
    概要:  それはたいそう大きな蝙蝠傘でした。  幹子は、この頃田舎の方から新しくこちらの学校へ入ってきた新入生でした。 髪の形も着物も、東京の少女に較べると、かなり田舎染みて見えました。 けれど、幹子はそんな事を少しも気にかけないで、学科の勉強とか運動とか、つまり、少女のすべきことだけをや....
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  • タイトル: たどんの与太さん
    著者: 竹久夢二
    出版社: ConTenDo
    概要: 「なんだってお寺の坊さんは、ぼくに與太郎なんて名前をつけてくれたんだろう」  と、與太郎は考えました。 「飴のなかから與太さんが出たよ」街の飴屋の爺さんが、そう節をつけて歌いながら大きなナイフで飴の棒を切ると、なかから、いくらでも與太郎の顔が出てくるのでありました。 これには與......
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  • タイトル: クリスマスの贈物
    著者: 竹久夢二
    出版社: ConTenDo
    概要: 「ねえ、かあさん」  みっちゃんは、お三時のとき、二つ目の木の葉パンを半分頬ばりながら、母様にいいました。 「ねえ、かあさん」 「なあに、みっちゃん」 「あのね、かあさん。 もうじきに、クリスマスでしょ」 「ええ、もうじきね」 「どれだけ?」 「みっちゃんの年ほど、お......
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  • タイトル: 都の眼
    著者: 竹久夢二
    出版社: ConTenDo
    概要:  留吉は稲田の畦に腰かけて遠い山を見ていました。 いつも留吉の考えることでありましたが、あの山の向うに、留吉が長いこと行って見たいと思っている都があるのでした。  そこには天子様のお城があって、町はいつもお祭りのように賑かで、町の人達は綺麗な服をきたり、うまいものを食べて、みんな......
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  • タイトル: 先生の顔
    著者: 竹久夢二
    出版社: ConTenDo
    概要:    1  それは火曜日の地理の時間でした。  森先生は教壇の上から、葉子が附図の蔭にかくれて、ノートへ戯書をしているのを見つけた。 「葉子さん、そのノートを持ってここへお出でなさい」不意に森先生が仰有ったので、葉子はびっくりした。  葉子は日頃から成績の悪い生徒では....
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  • タイトル: 秘密
    著者: 竹久夢二
    出版社: ConTenDo
    概要:  一体世の中に、何故? ときかれて、何となればと答の出来る様なことは、ごくつまらない事に違ひない。  机にも脚が四本ある、犬にも足が四本ある。 何故、犬には歩けて、机には歩けないか?  こんなことに答が出来たとて、おもしろくもなんともない。  けれど、私は何故に生れたらう? ....
    商品価格: ¥0(税込)
  • タイトル: ある眼
    著者: 竹久夢二
    出版社: ConTenDo
    概要: ある眼 竹久夢二 「あんな娘をどこが好いんだ、と訊かれると、さあ、ちよつと一口に言へないが」さう云つて、画家のAは話し出した。  彼女はただ普通のモデル娘として、私の画室に通つてきてゐたのです。 私も特別、彼女に注意を払つてもゐませんでした。 それほど、彼女は、ただの娘でし....
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