鈴木三重吉
検索結果22件中1件から22件までを表示
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タイトル: 胡瓜の種出版社: ConTenDo概要: 小さいときから自分を育てゝ來たお千は、下女と祖母とを伴れて、車に乘つて一足先に移つて出た。 自分は宿屋の拂ひをして、一二の用事に??つてあとから行つた。 荷車に托した行李と蒲團とが已に運ばれて、上り口に積み上げてあつた。 見すぼらしいがた/″\の格子戸を這入つて靴を解く。 お千は下...商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 金魚出版社: ConTenDo概要: 町に金魚を賣る五月の、かうした青い長雨の頃になると、しみ/″\おふさのことが思ひ出される。 今日も外にはしと/\と蜘蛛の糸のやうな小雨が降る。 金魚の色ばかりを思ひ浮べても物淋しい。 おふさを思へばうら悲しい。 二人はあの青山の裏町の、下二た間と二階一と間だけの小さい家に住んで...商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 女の子出版社: ConTenDo概要: 自分が毎日物を書く一と間の前には、老い耄けたやうな、がた/″\の黒板塀が限られてゐる。 左の建物の壁の根に、三つ股になつた、ひよろ/\の低い無花果の木が、上の方に僅かの小さい若芽を附けて、置き忘れられたやうに乏しく踞まつてゐる外には、何の植つてゐるものもない。 いかにも裏町ら......商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: かたつむり出版社: ConTenDo概要: 一 トゥロットのお母ちやまは、朝、いろんな人たちと一しよに、馬車でそとへお出かけになりました。 ド・ヴレーさんといふよそのをぢさまが、馬のたづなをとり、もう一人のをぢさまがラッパをならして、みんなでたのしさうに出ていきました。 トゥロットは、ちひさくて、足手まとひにな... ...商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 乞食の子出版社: ConTenDo概要: 一 トゥロットの別荘のうしろは、きれいな小さな砂浜になつてゐました。 今トゥロットは、そこへ下りてあすんでゐます。 そこへは村の人なぞはめつたに来ません。 ですから、海のきはへさへ出なければ、一人でそこであすんでもいゝと、おゆるしが出てゐるのでした。 でも、お庭には.....商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 青い顔かけの勇士出版社: ConTenDo概要: 一 トゥロットのお家は貴族で、お父さまは海軍の士官ですが、今は遠方へ航海中で、トゥロットはお母ちやまや女中のジャンヌたちと一しよに、海岸の別荘でくらしてゐます。 トゥロットにはイギリス人の或ミスが、まいにち家庭教師にかよつて来て、町中や浜べへつれて出たりして、いろ/... ...商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: パナマ運河を開いた話出版社: ConTenDo概要: 一 パナマの運河といへば、だれにもおわかりのとほり、南北アメリカのまん中の、一とうせまい、約五十マイルの地峡をきりひらいて、どんな大きな軍艦でもとほれるやうにこしらへたほりわりです。 これは今から十五年まへに出来上つたのですが、最初アメリカ合衆国政府が、パナマ共和国... ...商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: ダマスカスの賢者出版社: ConTenDo概要: 一 むかし、ダマスカスといふ町に、イドリスといふなまけものがゐました。 貧乏なくせに、はたらくことがきらひなのですからたまりません。 或とき、もういよ/\食べるものもなくなり、売りはらふものと言つたつて、ぼろッきれ一つさへないはめになりました。 おかみさんは、 「これ... ...商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: ざんげ出版社: ConTenDo概要: 一 ロシアのウラディミイルといふ町に、イワン・アシオノフといふ商人がゐました。 住居と、店を二つももつてゐるほどのはたらき人で、謡をうたふことの大好きな、おどけ上手の、正直ものでした。 そのイワンが或夏、ニズニイといふ町の市へ品物をさばきに出かけました。 イワンが... ...商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 蛇つかひ出版社: ConTenDo概要: インドだのエジプトだのといふやうな熱帯地方へいきますと、蛇使と言つて蛇にいろ/\のことをさせて見せる、わたり歩きの見世物師がゐます。 たいてい五六人で組をつくつて、ありとあらゆるさま/″\の蛇のはいつた、籠や袋や箱をかついで、町から町へとめぐつて歩き、人どほりのおほい広場や空地で... ...商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 一本足の兵隊出版社: ConTenDo概要: 一 或小さなお坊ちやんが、お誕生日のお祝ひに、箱入りのおもちやをもらひました。 坊ちやんは、さつそくあけて見て、 「やあ、兵たいだ/\。」と、手をたゝいてよろこびました。 そしてすぐに一つ/″\とり出して、テイブルの上にならべました。 それは青と赤の服を着た、小さな鉄... ...商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: ぽつぽのお手帳出版社: ConTenDo概要: 一 すゞ子のぽつぽは、二人とも小さな/\赤いお手帳をもつてゐます。 この二人は、「黒」よりもにやァ/\よりも、「君」よりも、だれよりも一ばん早くから、すゞ子のおあひてをしてゐるのです。 一ばんはじめ、或冬の、氷のはつてゐる寒い日に、二だいの大きな荷馬車がお荷物を... ...商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 湖水の鐘出版社: ConTenDo概要: 一 或山の村に、きれいな、青い湖水がありました。 その湖水の底には、妖女の王さまが、三人の王女と一しよに住んでゐました。 王さまは、夏になると、空の青々と晴れた日には、よく、小さな妖女たちをつれて、三人の王女と一しよに、真珠の舟に乗つて出て来て、湖水の岸のやはらかな草... ...商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 星の女出版社: ConTenDo概要: 一 姉妹三人の星の女が、毎晩、美しい下界を見るたびに、あすこへ下りて見たいと言ひ/\してゐました。 三人は或晩、森のまん中に、すゐれんの一ぱいさいてゐる、きれいな泉があるのを見つけました。 三人ともその水の中へつかつて見たいと思ひましたが、そこまで下りていく手だ... ...商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: やどなし犬出版社: ConTenDo概要: 一 むかし、アメリカの或小さな町に、人のいい、はたらきものの肉屋がいました。 冬の半の或寒い朝のことでした。 外は、ひどい風が雨を横なぐりにふきつけて、びゅうびゅうあれつづけています。 人々は、こうもりのえにかたくつかまりながら、ころがるようなかっこうをして、つと... ...商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: デイモンとピシアス出版社: ConTenDo概要: 一 これは、二千年も、もっとまえに、希臘が地中海ですっかり幅を利かせていた時代のお話です。 そのころ、希臘人は、今のイタリヤのシシリイ島へ入り込んで、その東の海岸にシラキュースという町をつくっていました。 そこでも市民たちは、やはりみんなの間からいくたりか... ...商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 岡の家出版社: ConTenDo概要: 岡の上に百姓のお家がありました。 家がびんぼうで手つだいの人をやとうことも出来ないので、小さな男の子が、お父さんと一しょにはたらいていました。 男の子は、まいにち野へ出たり、こくもつ小屋の中で仕事をしたりして、いちんちじゅう休みなくはたらきました。 そして、夕方になるとやっと一時間だ....商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 大震火災記出版社: ConTenDo概要: 一 大正十二年のおそろしい関東大地震の震源地は相模なだの大島の北上の海底で、そこのところが横巾最長三海里、たて十五海里の間、深さ二十ひろから百ひろまで、どかりと落ちこんだのがもとでした。 そのために東京、横浜、横須賀以下、東京湾の入口に近い千葉県の海岸、... (本...商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 千鳥出版社: ConTenDo概要: 千鳥の話は馬喰の娘のお長で始まる。 小春の日の夕方、蒼ざめたお長は軒下へ蓆を敷いてしょんぼりと坐っている。 干し列べた平茎には、もはや糸筋ほどの日影もささぬ。 洋服で丘を上ってきたのは自分である。 お長は例の泣きだしそうな目もとで自分を仰ぐ。 親指と小指と、そして襷がけの真似は初や...商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 黄金鳥出版社: ConTenDo概要: 一 貧乏な百姓の夫婦がいました。 二人は子どもがたくさんあって、苦しいところへ、また一人、男の子が生れました。 けれども、そんなふうに家がひどく貧乏だものですから、人がいやがって、だれもその子の名附親になってくれるものがありませんでした。 夫婦はどうし... ...商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: 湖水の女出版社: ConTenDo概要: 一 むかしむかし、或山の上にさびしい湖水がありました。 その近くの村にギンという若ものが母親と二人でくらしていました。 或日ギンが、湖水のそばへ牛をつれていって、草を食べさせていますと、じきそばの水の中に、若い女の人が一人、ふうわりと立って、金の櫛で、しず... ...商品価格: ¥0(税込)
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タイトル: ぶくぶく長々火の目小僧出版社: ConTenDo概要: 一 これは昔も昔も大昔のお話です。 そのじぶんは今とすっかりちがって、鼠でも靴をはいて歩いていました。 そして猫を片はしから取って食べました。 ろばも剣をつるしていばっていました。 にわとりは、しじゅう犬をおっかけまわしていじめていました。 こんなに、何でももの......商品価格: ¥0(税込)