東上記
概要:
八月二十六日床を出でて先ず欄干に倚る。
空よく晴れて朝風やゝ肌寒く露の小萩のみだれを吹いて葉鶏頭の色鮮やかに穂先おおかた黄ばみたる田面を見渡す。
薄霧北の山の根に消えやらず、柿の実撒砂にかちりと音して宿夢拭うがごとくにさめたり。
しばらくの別れを握手に告ぐる妻が鬢の後れ毛に風ゆらぎて...
(本文冒頭より抜粋)
東上記
販売(無期限): ¥ 0(税込)
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八月二十六日床を出でて先ず欄干に倚る。
空よく晴れて朝風やゝ肌寒く露の小萩のみだれを吹いて葉鶏頭の色鮮やかに穂先おおかた黄ばみたる田面を見渡す。
薄霧北の山の根に消えやらず、柿の実撒砂にかちりと音して宿夢拭うがごとくにさめたり。
しばらくの別れを握手に告ぐる妻が鬢の後れ毛に風ゆらぎて...
(本文冒頭より抜粋)