新橋
概要:
私が東京に着いて一番に鋭く感じたのは新橋停車場の匂でした。
門司ではバナナや鳳梨の匂を嗅ぎながら税関の前に出るとすぐ煤烟のなかを小蒸汽に乗つて関門海峡を渡つたので都会と云ふ印象よりも殖民地といふ感が強かつた、究竟、都会としての歴史や奥行といふものがなく出口と入口とが同一になつてゐ...
(本文冒頭より抜粋)
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