渋民村より
概要:
一
杜陵を北へ僅かに五里のこの里、人は一日の間に往復致し候へど、春の歩みは年々一週が程を要し候。
御地は早や南の枝に大和心綻ろび初め候ふの由、満城桜雲の日も近かるべくと羨やみ上げ候。
こゝは梅桜の蕾未だ我瞳よりも小さく候へど、さすがに春風の小車道を忘れず廻り来て、春告鳥、雲雀...
(本文冒頭より抜粋)
渋民村より
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一
杜陵を北へ僅かに五里のこの里、人は一日の間に往復致し候へど、春の歩みは年々一週が程を要し候。
御地は早や南の枝に大和心綻ろび初め候ふの由、満城桜雲の日も近かるべくと羨やみ上げ候。
こゝは梅桜の蕾未だ我瞳よりも小さく候へど、さすがに春風の小車道を忘れず廻り来て、春告鳥、雲雀...
(本文冒頭より抜粋)