死者の書
概要:
一
彼の人の眠りは、徐かに覺めて行つた。
まつ黒い夜の中に、更に冷え壓するものゝ澱んでゐるなかに、目のあいて來るのを、覺えたのである。
した した した。
耳に傳ふやうに來るのは、水の垂れる音か。
ただ凍りつくやうな暗闇の中で、おのづと睫と睫とが離れて來る。
...
(本文冒頭より抜粋)
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死者の書
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