湯ヶ原ゆき
概要:
定めし今時分は閑散だらうと、其閑散を狙つて來て見ると案外さうでもなかつた。殊に自分の投宿した中西屋といふは部室數も三十近くあつて湯ヶ原温泉では第一といはれて居ながら而も空室はイクラもない程の繁盛であつた。少し當は違つたが先づ/\繁盛に越した事なしと斷念めて自分は豫想外》の室に入つた。
元來自分は大の無性者にて思ひ立た旅行もなか/\實行》しないのが今度といふ今度は友人や家族の切なる勸告でヤツと出掛けることになつたのである。『其處に骨の人行く』といふ文句それ自身がふら/\と新宿の停車場に着いたのは六月二十日の午前何時であつたか忘れた。兔も角、一汽車乘り遲れたのである。
(本文冒頭より抜粋)
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