OJI物語

概要：

チェーンストア は小売業の最強の経営方式です。
今日、ほとんどの小売業態がチェーンストアにいう経営方式を当たり前のようにこの方式を志向します。その理由はチェーンストアが科学的で合理的な方式であり、急速の拡大する市場（マーケット）の申し子として誕生して、完成度を高めていたからです。しかし、チェーンストアが成熟化し多様化する消費者（マーケット）とそこで働く従業員の満足と生き甲斐を生み出すためには、各業態企業の努力が必要であったのです。システム化を全面に出すことのメリット/ディメリット、標準化体制と個々の従業員の個性と能力のどちらを活かすかは、チェーンストア経営の永遠のなりそうです。スーパーマーケットは、チェーンストア経営方式の牽引車的な存在ですが、いまだに試行錯誤を繰り返しています。その柔軟性がスーパーマーケットの最強である証拠です。『OJI物語』は、フロリダ州のローカル・スーパーマーケットであったパブリックス（PUBLIX）が当時最強の小売業態（チェーンストア 業態）と言われたウオルパート・スーパーセンターの進出を機に、店長を中心とした従業員の組織力（QC）で対抗したプロセスです。パブリックスは、チェーンストア運営の標準化システム対応型のセルフ・サービスの弱点を「売り逃し」を見逃す従業員にあるとして、「売り逃し」を発見して対応する店舗運営というチェーンストア方式では考えられないマネジメントを店長中心に各店で展開したのです。「さあ、今改善しよう！」とパートタイマー巡業員に店長が呼びかけたのです。パブリックス（PUBLIX）では、WIN(WORK IMPROVEMENT NOW)と名付けられた改善活動は、日本では、OJI(ON the Job Improvement)として紹介されました。多店舗展開は、初期のチェーンストア方式を超えて発展しつつあります。日本のスーパーマーケットの多くは、標準化・システム化が不得意です。アメリカの地域密着のローカル・スーパーマーケットも同様です。ただ、日本とは規模が違うのです。パブリックスもフロリダ州を超える出店（300店舗を超える段階）でチェーンストア対応を考えたのです。マーケット密着には、チェーンストア方式は合わないのです。そこで、1990年前後にQ.I.P.(Quality Improvement Process)を導入したのです…。