声の地層 災禍と痛みを語ること
概要:
人々の言葉と風景を記録する気鋭の書き手による、「オーラルヒストリー文学」
多くを失い身一つになっても、集えば人は語りだす。
伝える人と、耳をすます人の間に生まれた、語り継ぎの「記録文学」。
「すこしの勇気を持って、この人に語ってみよう、と思う。その瞬間、ちいさく、激しい摩擦が起きる。マッチが擦れるみたいにして火花が散る。そこで灯った火が、語られた言葉の傍らにあるはずの、語られないこと、語り得ないことたちを照らしてくれる気がして。それらを無理やり明るみに出そうとは思わない。ただその存在を忘れずにいたい」(はじめに)
【目次】
はじめに――語らいの場へようこそ
第1章 おばあさんと旅人と死んだ人
第2章 霧が出れば語れる
第3章 今日という日には
第4章 ぬるま湯から息つぎ
第5章 名のない花を呼ぶ
第6章 送りの岸にて
第7章 斧の手太郎
第8章 平らな石を抱く
第9章 やまのおおじゃくぬけ
第10章 特別な日
第11章 ハルくんと散歩
第12章 しまわれた戦争
第13章 ハコベラ同盟
第14章 あたらしい地面
第15章 九〇年のバトン
声と歩く――あとがきにかえて
【著者】
瀬尾夏美
土地の人々の言葉と風景の記録を考え、絵や文章を作っている。東日本大震災のボランティアを機に小森はるかとのユニットで制作開始。2012年から陸前高田市で暮し対話の場作りや作品制作を行う。仙台で土地との協働を通した記録活動をするコレクティブ「NOOK」を立上げ。現在は東京を拠点に災禍の記録をリサーチ、それらを活用した表現を模索するプロジェクト「カロクリサイクル」を進め、“語れなさ” をテーマに旅をし物語を書く。著書は『あわいゆくころ』『二重のまち/交代地のうた』『10年目の手記』(共著)『New Habitations:from North to East 11 years after 3.11』(共著)他。
原則、返金不可
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