私が諸島である カリブ海思想入門
概要:
カリブ海思想について新たな見取り図をえがく初の本格的な入門書。
西洋列強による植民地支配の結果、カリブ海の島々は英語圏、フランス語圏、スペイン語圏、オランダ語圏と複数の言語圏に分かれてしまった。それらの国々をそれぞれ孤立したものとしてではなく、諸島として見るということ。カリブ海をひとつの世界として認識し、その独自の思想を体系化する画期的著作。これからのカリブ海思想研究のためのリーディングリストを付す。
「web侃づめ」の大好評連載が大幅増補され、ついに書籍化! この海の下で我々は手を取り合う━━。カリブ海思想研究の俊英による待望のデビュー作。
【目次】
序章冒険の季節
第1章ひとつの世界としてのカリブ海
第2章1492を越えて、人間であること 解呪の詩学
第3章カリブ海を定義する者へ 存在論的不純性
第4章神話とカリブ海 悲しくも希望に満ちた叙事詩
第5章出会いを押し進めるために 相互歓待
第6章カリブ海の社会モデル論 プランテーション、多元、クレオール
第7章環カリブ海的経験のクレオライゼーション この海の下で、我々は手を取り合う
第8章カリブ海によるクレオール的時政学 海が歴史である
第9章ミサイルとカプセル 円環性の実践としての弁潮法
第10章ニヒリズムに抗うクロス・カルチュラルな想像力 カリブ海的身体と幻肢
第11章カリブ海のポストモダンの地平 カリビアン・カオス(前編)
第12章カリブ海のポストモダンの地平 カリビアン・カオス(後編)
第13章押し付けられた言語は誰の存在の家か 私?像を描く言語
第14章クレオール礼賛の裏で カリビアン・フェミニズム
第15章クレオールの精神 カリビアン・クィア・スタディーズ
【著者】
中村達
1987年生まれ。専門は英語圏を中心としたカリブ海文学・思想。西インド諸島大学モナキャンパス英文学科の博士課程に日本人として初めて在籍し、2020年PhD with High Commendation(Literatures in English)を取得。現在、千葉工業大学助教。主な論文に、“The Interplay of Political and Existential Freedom in Earl Lovelace's The Dragon Can't Dance”など。
原則、返金不可
詳細はこちら
販売(無期限): ¥ 2,420(税込)