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大地と星々のあいだで 生き延びるための人類学的思考

立ち読み

大地と星々のあいだで 生き延びるための人類学的思考

著者:
橋爪太作
出版社:
イースト・プレス

概要:

人類史を横断する「人間以前のもの」の痕跡、

そこから見えてくる新たな自然と新たな人間の未来!





・内容紹介

荒れ果てた産業林に生じたマツタケ採集のエコノミー、湖底に眠る泥が証す地質学的なカタストロフ……。

3.11をきっかけにメラネシアに渡航し、祖先以前の大地と向き合う人々について思索を重ねてきた人類学者による、生き延びるための思考とは何か。





・著者メッセージ

本書の旅は、20世紀から21世紀に至る歴史のベクトルを「有限から無限へ」から「無限に媒介された有限」への転回として捉える視座を引き受けつつ、さらにその先に進むものであったと言える。(中略)「プラスチックが新たな地層となる」人新世の有限性を突き抜けて、その内部に再び無限――あるいは具体的・経験的な輪郭を持った無数の「他者」――を見出すことに、この時代からの解放と、新たな明晰さの獲得を賭けた。(中略)私たちが生きる高原は、今後ますます空気が薄くなっていくことがあらかじめ定められているのだ。この世界における生存と自由の可能性は、自らの足元と頭上にある力を認識し、その可能性を裂開させることにあるだろう。(終章「高原の裂開」より)

【目次】
第1章 壊れた世界の向こう側

2つのパンデミック

暴れる地球と向き合う

近代の自然観

アンとピッピの20世紀

「穏やかで規則的な自然と社会」という幻想

大地からの視点



第2章 死は地中にあり、掘ると染み出てくる

死を埋める

「お前の母親のクランは日本のエンペラーと同じなのか?」

ヴィクトリアの病気

生きた土地



第3章 プラスチックが新しい地層になるとき

「われわれはもう人新世に入っているのではないか」

イェネンディ、あるいはアフリカ版『天気の子』

未開社会から実験室へ

地球を喰らう「ジャガー」

人間なるものの起源へ



第4章 『もののけ姫』を読む

2つの文明史的転換期

14世紀の星座

20世紀との重ね合わせ

再び現れる自然

シシ神からトトロへ



第5章 廃墟のマツタケ

大地への不安

マツタケとの出会い

オレゴンの森の物語

懐かしい香り

ポケモンとスーパーラット

世界の終わりと始まりのキノコ



第6章 人間の変容

サステナビリティの先へ

資本主義の危機

地球と人類のスペアを作る

弱いサイボーグ

ナウシカからカミーユへ



第7章 自然の変容

始原の庭

バロック庭園と実験室

再野生化のプロジェクト

奥山からの眼差し

無数の庭の絵が並ぶギャラリー



第8章 星々の力

「石の生まれ」

オントンジャワ海台

深い歴史

地球の二つの顔



終章 高原の裂開

本書のまとめ

高原の裂開

【関連ワード】
文化人類学 人類学 マルチスピーシーズ民族誌 人新世 アナ・ツィン 熱帯

ジャンル:
人文・思想 > 文化・民俗 人文・思想 > 人類学
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2024/06/06
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