改元
概要:
第38回・三島由紀夫賞候補作!
「君は今回の譲位についてどう思うかね?」
「龍の話じゃありませんでしたか?」
「そうだよ」久間さんは目を細め暗い光を溜めた。
「ずっと前から私はその話しかしていない」
龍の夢が「私」を通過するとき、この国のもうひとつの姿があらわれる――現代日本小説屈指の剛腕による、抵抗と革命の二篇。第38回・三島由紀夫賞候補作。
改元の年の異動で山奥の町に着任した公務員「私」は、集落に伝わる惟喬(これたか)親王が見たという龍の夢の伝説を追って、この国のもうひとつの姿を目撃する。(「改元」)
山あいの地主の一族に生まれた少年は、日猶同祖論を唱える父によって「世界の救い主」となるべく「十(じゅう)」と名付けられた。第二次世界大戦をまたいで繰り広げられる、めくるめく年代記。(「死者たち」)
【目次】
改元
死者たち
【著者】
畠山丑雄
1992年生まれ。大阪府出身。京都大学文学部卒。2015年『地の底の記憶』で第五十二回文藝賞を受賞。『改元』で第38回三島由紀夫賞候補。
改元
販売(無期限): ¥ 1,898(税込) / ギフト購入: ¥1,898 (税込)
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