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指さして言うTOYOTAへ

立ち読み

指さして言うTOYOTAへ

著者:
徳大寺有恒
出版社:
ぽらりす

◆◇◆ スタッフおすすめ! ◆◇◆
徳さんによる最後の“評論著書”です。
自動車そのものだけでなく広義に自動車産業への愛が凝縮された
メッセージでもあります。

文化や哲学をも網羅してクルマという物欲の集大成を語れる
ありがたい徳さん節をご堪能あれ。【ケイデンス】

概要:

この一冊で10年後の自動車のあり方がすべてわかる!
 
迷走する自動車メーカーへ
かつてのトヨタ契約ドライバー徳大寺有恒が
残りの人生を賭けた遺言
 
 
プロローグより
 
 
『30度バンク』に飛び込んだあの日
 
本書の表題を『指さして言う TOYOTAへ』とするのは少々煽情的かな、とためらっていたが、この激動の時代にモノ申すとなると、これくらいの 攻撃性というか、まず己れを奮い立たせるくらいの集中力が必要だ、と気付いて、これで通すことにした。そう心を固めるのには、ひとつのきっかけがあった。
 
2010年3月20日、富士スピードウェイ(FSW)で催されたイタリー車の走行会に赴いた際、今ではメモリアルゾーンとなっている「30度バン ク」に足を踏み入れた。
 
今の時代、このFSWの名物である長いストレートの終点、第1コーナーの向こうに、まるで白い墓標が肩を寄せ合うかのようにして、コースの外枠を 縁取っているのを、ご存知あるまい。
 
30度バンク。
 
レース中のアクシデントを契機に立ち入り禁止になり廃墟化していたのを、トヨタが経営母体となったのを機に、その周辺をモータースポーツファンの ための記念公園に化粧直ししていた。
 
かつての走行路がその当時のまま残っていた。垂直のコンクリートの壁のようだった。こんなところを、人間とレースマシンが一体となってよく走れたものだ、それもライヴァルたちと競いながら。
 
長いストレートから、谷底に飛び込んだ時の恐怖と勇気の記憶が甦る。「ウワーッ」と思いっきり叫びながら突入したら、なんとかくぐり抜けられた。 確か、ここで2度ほどレースをやった。
 
ひょっとして、トヨタの今の状態はこれに似てはいないか―
 
長いストレートを加速するだけ加速したあとで、今回のリコール問題への対応など、いわば強烈なブレーキング操作を求められている所など…。さまざまな想いが湧き上がってきた。
 
あのころの攻撃的な気分を甦らせて、本書にとりかかってみた。すると、トヨタ混迷の根源が、私なりに見えてきた。それは、ただ単にトヨタが直面する難局というより、自動車が生まれ、育ち、成熟し、そこから先の課題と感応し合う世界を舞台とした歴史との関わりだ、と気付かされたのである。だから私は今、はじめてのレースでスターティンググリッドについた時の高揚感と、緊張感を思い出しながら、アクセルペダルに足をのせた。
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目次:

はじめに
 
第1章 トヨタの異変
トヨタからはじまった、わが「創業期」の日々
自動車の進化とは何であるか
メーカーへ。やり残したことはないか (もっと読む

ジャンル:
経済 > 産業・交通 ビジネス > 仕事の技術 経営 > 企業・組織論 経営 > マーケティング 趣味 > くるま・バイク
商品情報
販売開始:
2014/11/21
ファイルサイズ:
2.91MB
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