生きるとは

著者：: 後藤一敏
出版社：: 銀の鈴社

概要：

生きるとは、今ここにある「いのち」の現われです。
「いのち」は宇宙の長い歴史の中で育まれ、この身と心は自然と一体です。
日々の生活では「個人の私」として活動し、より良い生活を求め、有形、無形の財産を蓄積し、社会活動をしています。
その成果を、私の物として執着し、固執します。
その中で、苦しみ、怒り、悲しみ、喜び、怨みなど様々な感情が生みだされます。
最も強い執着は老いたくない、病気になりたくない、死にたくないとの思いです。
自分の強い自我意識に執着している限り、心の安らぎはありません。
どのようにしたら心に安らぎが得られるのかを探求しました。
・・・＜もう一人の自分探しの経緯>

・あらゆるものは、留まることなく変化し、流動する過程（プロセス）なのです。
それを仏教では無常の姿であると言っています。
変化するからこそ新たな自分が生れます。
変わらない「私」という実体があるように思うのは「幻想」です。
真実の姿に気づくことで、怒り、苦しみ、妬み、貪りなどの感情が薄らぎ、心は安らかになります。
・「私」という閉じられた意識の中の人生が、身体と心は宇宙が生みだし、生かされていると気づくことで、「私」は解放され、新たな人生が始まります。
・・・＜本書まとめより抜粋＞

◆もくじ◆
目　　次

まえがき
第一章　生きていることの不思議
一　人生で長い日は今日の一日
二　あらゆるものは心を離れて存在しない
三　自然と一体である人間
四　宇宙の中の人間 29
五　宇宙の中で、人間はどのような位置にあるか
六　生命と宇宙リズム
七　絵に描いた餅では味を実感できない
第二章　混迷の国際社会
一　人間とは何物か
１　国際紛争は自国優先のゴリ押し
２　ブッダの言葉に心の働きを知る
３　生物学から見た人の特性
４　パスカルの観察した人間の特性
５　このような見方ができる聖書
二　慈悲のこころ
１　ブッダのこころを体現したジャヤワルダナ元大統領
２　ジャヤワルダナ元大統領の仏教理解
３　中村元先生の到達した「慈悲のこころ
三　苦境を乗り越える人間の叡智
１　地味な研究がコロナ禍を救う
２　戦場の中のオアシス（中村哲医師の支援活動）
３　中村哲医師が残した言葉
四　今こそ再考の時
１　10年後に思う
２　再考する時がきた
３　今日の状況は予見されていた
４　過去の原子力発電所事故
５　福島第一原発の事故について
第三章　私たちの先祖
一　誰にも先祖はいる
１　芝山古墳の武人埴輪列
２　埋葬されているのは誰か
二　古墳から蘇る渡来人
１　古墳時代に栄えた群馬
２　友人からのメールで確信
３　日本書紀に渡来人の記述がある
三　遺伝子とは
１　遺伝子とは何か
２　細胞分裂は二種類ある
３　先祖はどのようにたどれるか
４　遺跡の発見、発掘
５　遺伝子を知ることの意
四　自然を畏敬する心（神道について
１　神田明神について考える
２　古代から存在する春日大社
３　現代的な神社（神道）解釈
第四章　生きている意味を問う
一　人生を生きる
１　心の働きが生活をつくる
２　人生は語られるもの
３　円環的に捉える人生観
４　法句経に見る人生の生き方
二　無常の流れの中で
１　すべてに決められた時がある
２　光陰矢の如し
３　無常の流れの中に
４　戦乱の続く時代─苦しむ民衆
５　民衆を救済する鎌倉仏教
６　民衆の前で説法する鎌倉時代のリーダー
７　当たり前が素晴らしい
三　生きていることに気づく
１　先の読めない世界
２　旧約聖書に言葉があった
３　生きていることに気づく
４　生きているのは今のこの瞬間
５　仏教とキリスト教では、存在の捉え方が異なる
四　混迷の中の日本仏教
１　衝撃的事件で何が見えたか
２　日本は仏教国なのか
３　日本の仏教は大きく変質した
４　日本の伝統仏教の衰退が見える
第五章　人生に後戻りはない
一　生きているということ
１　苦しみに満ちた世界
２　無常を生きる
３　歴史はくり返す
４　選択できない人生
二　五つの真理
１　ある質問
２　生死を考える
３　人生は「砂時計」である
４　常に観察するべき五つの真理
三　老いの生き方
１　厳しい現実
２　長寿社会を有意義に生きる
３　苦しみ抜いた人生問題
四　指導者の器で決まる国の命運
１　翻弄されたウクライナの20世紀の歴史
２　世界史の中の古代日本
３　東方の島国である古代日本の状況
４　続日本紀に見る国家の安泰
５　仏教の視点でウクライナ問題を考える

あとがき