
玉藻の前
概要:
清水詣で
一
「ほう、よい月じゃ。
まるで白銀の鏡を磨ぎすましたような」
あらん限りの感嘆のことばを、昔から言いふるしたこの一句に言い尽くしたというように、男は晴れやかな眉をあげて、あしたは十三夜という九月なかばのあざやかな月を仰いだ。
男は今夜の齢よりも三つばかりも...
(本文冒頭より抜粋)
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玉藻の前
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