
渾沌未分
概要:
小初は、跳ね込み台の櫓の上板に立ち上った。
腕を額に翳して、空の雲気を見廻した。
軽く矩形に擡げた右の上側はココア色に日焦けしている。
腕の裏側から脇の下へかけては、さかなの背と腹との関係のように、急に白く柔くなって、何代も都会の土に住み一性分の水を呑んで系図を保った人間だけが持つ冴...
(本文冒頭より抜粋)
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渾沌未分
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