
清貧の書
概要:
一
私はもう長い間、一人で住みたいと云う事を願って暮した。
古里も、古里の家族達の事も忘れ果てて今なお私の戸籍の上は、真白いままで遠い肉親の記憶の中から薄れかけようとしている。
ただひとり母だけは、跌ずき勝ちな私に度々手紙をくれて叱って云う事は、――
お...
(本文冒頭より抜粋)
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清貧の書
販売(無期限): ¥ 0(税込)
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