
災厄の日
概要:
自分の部屋でもないその部屋を自分の部屋のやうに、古びた襖や朽ちかかつた柱や雨漏のあとをとどめた壁を、自分の心の内部か何かのやうに安らかな気持で僕は眺めてゐる。
湿気と樹木の多い日蔭の露路にこの下宿屋の玄関はあつて、暗い階段をのぼつた突当りの六畳が僕の部屋なのだが、焼け残つたこの一...
(本文冒頭より抜粋)
- ジャンル:
- 文芸 > 小説(国内) 無料文庫 > 無料文庫
災厄の日
販売(無期限): ¥ 0(税込)
販売(無期限): ¥ 0(税込)