
夜福
概要:
一
青笹の描いてある九谷の湯呑に、熱い番茶を淹れながら、久江はふつと湯呑茶碗のなかをのぞいた。
茶柱が立つてゐる。
絲筋のやうなゆるい湯氣が立ちあがつてゐる。
「おばアちやん、清治のお茶、また茶柱が立つてゐますよ」
雪見障子から薄い朝の陽が射し込ん...
(本文冒頭より抜粋)
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夜福
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