
離魂病
概要:
一
M君は語る。
これは僕の叔父から聴かされた話で、叔父が三十一の時だというから、なんでも嘉永の初年のことらしい。
その頃、叔父は小石川の江戸川端に小さい屋敷を持っていたが、その隣り屋敷に西岡鶴之助という幕臣が住んでいた。
ここらは小身の御家人が巣を作ってい...
(本文冒頭より抜粋) (閉じる)
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