十六夜
概要:
一
きのふは仲秋十五夜で、無事平安な例年にもめづらしい、一天澄渡つた明月であつた。
その前夜のあの暴風雨をわすれたやうに、朝から晴れ/″\とした、お天氣模樣で、辻へ立つて日を禮したほどである。
おそろしき大地震、大火の爲に、大都は半、阿鼻焦土となんぬ。
お月見でもあるまいが、背...
(本文冒頭より抜粋)
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十六夜
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