読書
概要:
私は或は人から沢山の書物を読むとでも思われているかも知れない。
私はたしかに書物が好である。
それは子供の時からの性僻であったように思う。
極小さい頃、淋しくて恐いのだが、独りで土蔵の二階に上って、昔祖父が読んだという四箱か五箱ばかりの漢文の書物を見るのが好であった。
無論それが分ろう...
(本文冒頭より抜粋)
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