燕尾服着初めの記
概要:
(一)
此れは逗子の浦曲に住む漁師にて候、吾れいまだ天長節外務大臣の夜会てふものを見ず候ほどに、――と能がゝりの足どり怪しく明治卅二年十一月三日の夕方のそり/\新橋停車場の改札口を出で来れるは、斯く申す小生なり。
懐中には外務大臣子爵青木周蔵、子爵夫人エリサベ...
(本文冒頭より抜粋)
燕尾服着初めの記
販売(無期限): ¥ 0(税込)
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(一)
此れは逗子の浦曲に住む漁師にて候、吾れいまだ天長節外務大臣の夜会てふものを見ず候ほどに、――と能がゝりの足どり怪しく明治卅二年十一月三日の夕方のそり/\新橋停車場の改札口を出で来れるは、斯く申す小生なり。
懐中には外務大臣子爵青木周蔵、子爵夫人エリサベ...
(本文冒頭より抜粋)