夜烏
概要:
夏水をかぶつた猿ヶ馬場耕地の田地は、出来秋の今となつては寔に見すぼらしいものであつた。
ひこばえのやうにひよろ/\した茎からは、老女のちゞれた髪の毛を思はせるやうな穂が見える。
それも手にとつて見るとしいなが多い。
枯穂も少くない。
刈つたところで藁の値うちしかないかもしれない。
米とし...
(本文冒頭より抜粋)
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夜烏
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