山の音を聴きながら
概要:
ようべは初めて、澄んだ空を見た。
宇都宮辺と思はれる空高く、頻りに稲光りがする。
もう十分秋になつて居るのに、虫一疋鳴かない。
小山の上の大きな石に腰をおろして居ると、冷さが、身に沁みて来るやうだ。
物音一つしない山の中に、幽かに断え間なく響いて居るのは、夜鷹が谷の向うに居るのだらう。
八...
(本文冒頭より抜粋)
山の音を聴きながら
販売(無期限): ¥ 0(税込)
販売(無期限): ¥ 0(税込)
ようべは初めて、澄んだ空を見た。
宇都宮辺と思はれる空高く、頻りに稲光りがする。
もう十分秋になつて居るのに、虫一疋鳴かない。
小山の上の大きな石に腰をおろして居ると、冷さが、身に沁みて来るやうだ。
物音一つしない山の中に、幽かに断え間なく響いて居るのは、夜鷹が谷の向うに居るのだらう。
八...
(本文冒頭より抜粋)