わが文学修業

概要：

　本当に小説の勉強をはじめたのは、二十六の時である。
それまでは専ら劇を勉強していた。
小説は殆んど見向きもしなかったようである。
ドストイエフスキイやジイドや梶井基次郎などを読んだほかには、月月の文芸雑誌にどんな小説が発表されているかも良く知らなかった。
その代り、戯曲は実によく読んだ...


（本文冒頭より抜粋）