指と指環
概要:
銀座裏のカッフェ・クジャクの内部はまだ客脚が少なく、閑散を極めていた。
彼は、焦茶色の外套の襟で頤を隠して、鳶色のソフトを眼深に引き下げていた。
そして、室の中を一渡り見渡してから、彼は隅のテーブルへ行って身体を投げ出した。
「いらっしゃいまし。
何になさいますか?」
す...
(本文冒頭より抜粋)
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指と指環
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